2016年冬アニメは何と言っても「けものフレンズ」が日本を席巻したのが最大のニュースだと思います。
かく言う私も最初からどハマリしたクチで、未だに感動冷めやらぬと言った感じです。
「けものフレンズ」アニメの素晴らしさは商業的にも大ヒットした事もあり、沢山の人が語っているので敢えて申しませんが、1点だけ、このアニメが「アニマルビデオ」だからあれだけ癒されるし、リピーターも続出しているという点に全然触れられていないのが不思議ですね。
私的には、アニマルガール達が「ケモ耳萌えキャラ」ではなく「人と話ができるようになった動物」つまり基本的な立ち位置は「けもの」であるという点が、全てのキャラが魅力的である1番の理由だと思っているんですが・・・。
さて、アニメ放送終了後も動画サイトには続々とファンメイドのPV、MMDモデルがUPされている本作品ですが、ファン作成のMMDモデルの出来がかなりハイクオリティになってきており、配布されたそれらを使った二次創作の数々には、けもフレ愛に満ちた本当に素晴らしいものがあります。
ここでは、私が個人的に特に気に入っている作品を紹介したいと思います。
Embracing the Nature of Kemono Friends
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ネタバレ要素 |
アニメ本編の映像を Of Monsters of Men の名曲「Dirty Paws」に乗せて編集した劇場映画予告編的大作PVです。
本編全12話の映像をロードムービー風にまとめた統一感のある編集センスが素晴らしい作品で、アニメを最後まで見た人にとっては数々の名シーンが鮮明に心に蘇りボロボロ泣ける事うけあいです。
基本的にアニメ本編の時系列に沿って最終話までを振り返る形になっていますが、敢えてセリフやキャラクターの表情に焦点を当てず、ジャパリバスを中心に3人の旅を俯瞰で捉えたPVになっていますので、初見の方に対するネタバレ度はかなり低めになっています。
仮にアニメを見ていない人がこのPVを観たとしても確実に胸にこみ上げてくるものがあるはずで、「Dirty Paws」の素朴で壮大なメロディーに全く引けをとらない「けもフレ」アニメの映像に引き込まれると思います。
ニコ動のコメントにもありましたが、未見の人に「けもフレ」の凄さを紹介するには非常に良い動画ではないでしょうか。
未だに「けもフレ」を評して「絵は良くないが~」という前提のコメントを度々見かけますが、全く理解できませんね。
あの計算された絵作りが分からないのか、この人たちは、と思います。
そういう可哀相な人たちはこのPVを観ても「画質云々」と言うんでしょうかね。
けものオドル
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シリアス | |
ネタバレ要素 |
こちらもアニメ本編の映像を nobodyknows+ の「ココロオドル」に乗せて編集し、全編を振り返るPVになっています。
「Embracing the Nature of Kemono Friends」とは対極的に、こちらはキャラクターのセリフを中心にストーリーを追えるよう編集しており、いかに尾崎由香のサーバルちゃん、内田彩のかばんちゃん、その他全てのアニマルガール声優、そしてヤオヨロズの3Dモデルが素晴らしい演技をしていたかを再確認できます。
この「けものオドル」は映像にミックスするセリフの選択と演出が本当に秀逸で、アニメ本編を観た人間にとっては「そう、こういうテーマだったよな、この作品は」と改めて感動させてくれます。
けもフレは脚本が特に素晴らしく、言葉の選び方が独特かつ名言が多いのですが、かばんちゃんの成長の旅という視点から見た場合の
「ボクはお客さんじゃないよ」
は本当に心に染みる名セリフです。
旅の出発点である第1話に全ての要素が込められている、という本編の伏線を全て回収する形で映像にまとめられているので、未見の人にすすめるにはネタバレ度がちと高すぎますが、わずか4分強に「けもフレ」のエッセンスを詰め込んだ凄い作品です。
【MMDけもフレ】最終話「ぼくのふれんど」【MMD KEMONO Friends Fan Fic】
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シリアス | |
ハッピーエンド |
オリジナルストーリーのアニメ視聴中は、1クールの最終話が近くなってくるとそれまでの話の流れから「あぁ、こんな風に終わるんだろうな、この作品は」と妄想するようになりませんか?
私はよくやります。
「けもフレ」は特に、ほんわかした雰囲気の最後に予想もつかないシリアス展開が待っていたというのと、そもそも最初から「別れ」を想起させるエンディング曲、そして「ロードムービーである」という設定から、きっと最終話ではメインキャラの2人には別れが待っているんだろうな、と私も予想していました。
ロードムービーには必ず終着点があり、そこに至った時点で、旅を共にしてきたパートナーとの別れと、新たな出発がつきものですからね。
この最終話「ぼくのふれんど」は、きっと多くの人が予想していたであろう「いつかあり得る終着点」をMMDで再現した作品です。
ED曲のセルフカバー「ぼくのフレンド」をBGMに、「ヒト」の世界に帰るかばんちゃんとサーバルちゃんの別れを描いているのですが、この作品の良いところはサーバルちゃんの弱さやかばんちゃんへの強い想いというのを前面に出している点ですね。
別れの際に、かばんちゃんの前では悲しい顔をしないよう我慢しているサーバルちゃんが、姿が見えなくなった途端にボロボロ泣き出すという表現をすごく丁寧に作ってあり、本当にこの作品を良く理解しているんだなと感動しましたね。
別れの先の展開も描かれているのですが、ぜひ作品を観て確かめてほしいです。
【MMDけもフレ】かばん・サーバル・えんじぇるふぃっしゅ。
友情度 | |
オールスター | |
ネタバレ度 |
こちらはいかにもMMDらしいMMD動画で、ミュージックビデオとしての完成度が「けもフレ」要素を抜きにしても非常に高いです。
曲について私は存じ上げなかったのですが、オリジナル楽曲が「パトリチェフ」、ボーカルが「EVO+」との事。
アニメーションデータはカップルダンサーの動画が元になっており、実際に2人分の動きが再現されています。
これが非常に生っぽく、MMDモデルの完成度の高さも相まってとても存在感のある華やかな動きをしています。
この作品で特筆すべきなのはメインキャラクターのかばんxサーバルカップルの絡みについて、ものすごく細やかに目線や表情を指定してあり、この2人の(健全な)アツアツっぷりがひしひしと伝わってくる点ですね。
元の動画も完璧なダンスと言うよりもカップルが楽しげに踊っているという雰囲気の方が強調されているのですが、かばんxサーバルのダンスMADにする際に振り付け自体にも「けもフレ」ならではのアレンジが加えられており、作者のけもフレ愛が画面から溢れ出すようです。
また、ダンスMVとしての文法をきちんと押さえた構成になっており、例えばほぼ全キャラクターの集合ダンスがカットインで挿入されるのですが、曲とのシンクロ率も高く、各キャラクターの個性も一瞬で表現されており、ファンにとっては鳥肌ものの映像となっています。
ダンスMADは数あれど、曲素材、モーションアレンジ、背景設定も含めた撮影、の全てにおいてここまで完成されたものにはそうそうお目にかかれないのではないでしょうか。
KEMONO FRIENDS
ネタMAD | |
オーバーロー度 | |
オーイシマサヨシ |
TVアニメ「オーバーロード」のオープニングをけもフレMMDモデルで再現したMAD動画です。
なんで「オーバーロード」?と思われるかもしれませんが、けもフレのOP曲「ようこそジャパリパークへ」の作詞・作曲をされた大石昌良さんが参加しているユニットOxT(オクト オーイシマサヨシ x Tom-Ha@ck)の曲「Clattanoia」がこの「オーバーロード」のOP曲だからですね。
それ以外のつながりは一切無いんですが、アニメ「オーバーロード」OPの再現度はなかなか高いです。
「ようこそジャパリパークへ」は平井堅も絶賛するぐらいの名曲なんですが、「Clattanoia」も疾走感があって私は好きです。
このMADは再現度の高さもさることながら、けもフレのキャラ達が本編ではありえないぐらい動きまくっているのが1番の見所ですね。
これラスボスの巨大セルリアンなんか余裕でしょ、ってぐらい野生解放しちゃってます。
かばんちゃんも11話での活躍が当社比150%ぐらいにはなってて、まるで戦闘要員のようです。
私は「オーバーロード」についてはアニメしか見ておらず、正直微妙だったのですが、このMADを見て失礼ながら「あぁ異世界転生で俺Tueeeeeってこういう事ね」と思ってしまいましたね。
けものフレンズ・ぷち「みずくみ」
脳内フルボイス | |
自給自足度 | |
ネタMAD |
ネタMADもここまで本編と違和感のない設定だと、ネタとは言えないのではないのか、というぐらい「ありそう」な脚本が面白いMMDドラマです。
12.2話が早く観たい、という方にはぜひこちらをオススメしたい。
繰り返しになりますがけもフレMMDについては、ユーザー作成モデルの出来が日に日に原作の再現度を増しており、あまりに原作に忠実なセリフ回し、設定のMAD動画には「フルボイスすごいな」というコメントが付くのがお約束になっています。
これは原作の声優陣の演技が非常に印象に残っており、ファンメイド作品の絵とセリフに違和感が無いと勝手に脳内でセリフが再生されるという事なんですね。
この「みずくみ」は特に原作の再現度が高く、シナリオについてはもう公式でいいじゃんと言いたくなるぐらいです。
むしろ、ここまでの作品が出てくると、たつき監督はやりづらいだろうなぁと思います。
話のすじとしては、12.1話と同じ流れで、博士と助手ががフレンズたちにかばんちゃんの旅の準備を手伝わせると言うものです。
今回はタイヤではなく「水」ですね。
けものフレンズ・ぷち「げきから」【MMDドラマ】
脳内フルボイス | |
自給自足度 | |
飯テロ度 |
「みずくみ」と同じ作者さんの作品で、こちらの方が先に投稿されています。
7話でカレーを作った後、ジャパリ図書館に1泊することになったかばんちゃんとサーバルちゃん。
小腹の減った夜行性のサーバルちゃんが見つけたのは・・・。
という内容で、こちらも、いかにもありそうな脚本と再現度の高いキャラの演技が秀逸な作品です。
けものフレンズ 12.x話「ごほうび」【MMDけもフレ】
脳内フルボイス | |
自給自足度 | |
公式モデル |
ユーザー作成モデルの完成度の高さという点では、サーバルちゃん、博士、助手が飛び抜けているんですが、他のキャラたちもかなり原作に忠実なものが上がってきています。
この動画では公式の12.1話で博士と助手がアライさん&フェネックに依頼した「まんまる」集めの後日談が描かれており、アライさん、フェネックのモデルも相当クオリティが高い事が見て取れます。
サムネイルだけ見ると公式の動画と区別がつかないですし、本編の内容もセリフ回し、動き共に非常に再現度が高く、けもフレ難民としてはありがたい限りですね。