PCケースFractal Design Define R5のサイドパネルを強化ガラスに換装してみました

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自作PCにおいて最も重要なパーツは電源とケースですね(異論は認めない)。

他の内部パーツは新モデルが出ると性能的に陳腐化し、交換の対象になりますが、電源とケースは壊れるまで同じものを使い続けます。

電源は言わずもがな、PC全体の安定動作について最も重要なパーツですし、ケースはパーツの交換作業の度にアクセシビリティが問われます。

ケースに迷ったならFractal Design Define R5でいい

電源は容量とメーカーで判断すればいいものの、ケースはスペック表を見ても使い勝手が分かるわけではなく、経験や口コミに頼ることになります。

その上で敢えて断言しますが、とにかくケースはFractal Design Define R5を買っておけば間違いありません。

外観や特徴については以下の記事が画像も豊富で詳しいです。

これで全てが分かる。Fractal Design「Define R5」徹底解説 - エルミタージュ秋葉原
2012年8月にデビューを果たした「Define R4」から2年以上が経過し、ついに新作「Define R5」が登場。水冷構築に最適化された新設計には大注目。誰もが納得する、その出来映えを完全検証

ミドルタワーケースでどれを買えばいいのか迷っているなら、悪いことは言いません、Fractal Design Define R5に決めましょう。

Fractal Design Define R5のいいところ

  1. ケース内スペースに余裕があり、作業しやすい
  2. HDD格納用の独自システムが洗練されていて楽
  3. ケーブルの取り回しを考慮したレイアウトになっている
  4. 内部のエッジがちゃんと丸められている
  5. 価格が安い

Fractal Design Define R5の悪いところ

  1. サイドパネルの建付けが悪く、閉めるのに手間取る
  2. 重い
  3. 言うほど静音性は高くない

いいところについて

ケース内スペースに余裕があり、作業しやすい

自作PCの組み立て作業で何が一番憂鬱かって、狭いスペースにごちゃごちゃと鉄板で仕切りがある中に手を突っ込んで、小指の先ほどの大きさのコネクタを挿したり抜いたりしなきゃあならん事ですね。

Define R5は他のミドルタワーケースと比べると、まず横幅が2cm程広くなっており、フルタワーケースの幅と同じぐらいになっています。

このおかげでマザーボードの裏面側にスペースが生まれています。

ここには2.5インチSSD等のストレージを貼り付けるためのシャーシが付属しており、ここにストレージを置くことで、ケース内のパーツ、ケーブルの集中を避けることができます。

また、このスペースはケーブルの通り道になっており、ケーブル類は基本この裏面を通すことで、ケース内にケーブルが「詰まって」しまうのを防げます。

HDD格納用の独自システムが洗練されていて楽

3.5インチHDDは、事前にHDD側に専用のフレームをネジ止めしておき、このフレームごとベイに格納するようになっています。

格納するベイの位置をケーブル長に合わせて変更する際や、HDDを追加する際にこの仕組みが非常に楽です。

フレームの端を掴んでシャコっと着脱するだけで、全く力をかける必要が無く、ものすごく容易なんですよ。

ベイへの装着にはハンドスクリューすら使いません。

似たようなシステムのケースもたまに見かけるのですが、Define R5は元々ケースのベイに装着されているフレームを取り出してHDDに取り付け、これを再度ベイに戻す、というシンプルな仕様なのがイイ。

他製品だとHDDに取り付けるフレームが別の部品としてパッケージングされていたり、取り付けるのに専用のゴムパッキン的な緩衝材をイチイチ嵌めなければならなかったりして、アイデアはいいのに全く洗練されていない。要するに面倒くさかったんですね。

こういうのは、いざHDDを追加しようと思った時にはこの別パッケージングされたパーツが見つからなかったりして途方に暮れることになるんですよ。

ケーブルの取り回しを考慮したレイアウトになっている

電源が底格納なのはまぁ最近では普通として、1で書いたように電源ケーブル、SATAケーブルは基本、1度マザーボードの裏側へ出すようになっており、表側に露出するケーブルを極力少なくするようになっています。

パーツの数以上に電源ケーブルは多くなるので、この太くて固いケーブル群がマザーボードの表側に集中するともう、蛇がのたうち回っているかのような地獄絵図になりますね。

Define R5はストレージ系パーツの電源コネクタが全てマザーボード裏面側(ケース主観で言うと右側)に存在するようレイアウトされているので、ケース内のケーブル取り回しがとてもすっきりします。

内部のエッジがちゃんと丸められている

ケース内部の仕切りやサイドパネルの溝などのエッジ部分が丸められており、鋭くなっていません。

質の低いケースだとこれがスチール板から切り出したまんまの状態になっており、素手を突っ込むと肌が切り刻まれて傷だらけになります。まさに地獄絵図ですね。

かといって触るパーツの性質上、軍手を嵌めて作業するわけにもいかないですし。

Define R5は内部のエッジが人の手を傷つけないようにちゃんと配慮されており、この1点だけを見ても極めて丁寧に作られている事が分かります。

明らかに自作erが自作erのために設計した、まともな製品であると言えるでしょう。

価格が安い

これだけの品質のケースだと、普通3~4万円してもおかしくありません。

しかしDefine R5は、高くても実売15000円程度です。

これは破格と言っていい値段だと思います。

名ばかりの「高級ケース」がいかにボッタくり価格で販売しているかが分かりますね。

実際、Define R5の品質でも値段が3万円するとなると、下手なCPUよりも値段が高いということになってしまうので買うのがためらわれるかも知れません。

ですが、自作PCにおいて最も重要なパーツがこの品質で15000円以下というのは、一体他にどの製品が競合足りえるの?というぐらい決定的だと思います。

悪いところについて

Define R5についてはベストバイであるという点に何の疑いも無いのですが、それでも完璧ではありません。いくつか「これはどうよ」と思う点もあります。

サイドパネルの建付けが悪く、閉めるのに手間取る

最初に「え?」と思ったのがコレです。

工作精度も高く、きちんと作られているらしきDefine R5なんですが、とにかくサイドパネルが閉めづらい。

「建付けが悪い」と言うのは語弊がありますが、そんな感じなんです。

個体差かと思いきや、複数所持しているDefine R5の全てにおいて同じ使用感なので、これはこういう作りなんだと思います。

原因として考えられるのは、サイドパネルが重いスチール製な上、内側に防音材のような物が貼られていてさらに重さが増している。

重いにも関わらず、この内側に貼り付けられた防音材のせいなのかサイドパネルが普通にたわむんですよ。

きっちり側面の溝に合わせたつもりが、自重でゴトッとすぐ外れるし、たわむせいで4辺のどこかがズレてしまっているらしく、毎回サイドパネルを嵌めるのに手間取ります。

もちろん、4辺が完全に合ってさえいれば、精度が悪いわけではないのでぴったり閉まります。

ただ、その状態に持って行くのが難しい。

「簡単にピタッと嵌る作りになっていない」というのが非常に残念、というか、正直イラっときますね。

重い

PCケースの中には「軽い」というのを売りにしている物もあり、私もつられて買った事があります。

オールアルミ製で10Kg以下とかいうヤツですね。

Define R5は剛性と静音性を重視しているようで、決して軽くないです。

ミドルタワーPCケースとしては、11.2Kgなので他のスチール製の製品と比べても決して軽くはない部類だと言えるでしょう。

ただ、ミドルタワーPCを抱えて歩く人にとっては大問題なんでしょうが、私はそういう事はしないので殆ど問題ではありません。

言うほど静音性は高くない

サイドパネル内側にわざわざ防音材を貼ってあるんですが、ケース上面は全てハチの巣状に穴が開いており、ここにクーリングファンを好きなだけ取り付けることができるようになっています。

この上面はファンを取り付けない場合、スチールのカバーで覆われている状態なんですが、ファンを取り付けたなら当然カバーを取り去る必要があるわけで、結果大きく開口部ができてしまいます。

私はPCに静音性は求めないので大して問題にはなりませんが、上部ファンを1基取り付けた時点でケース内の機械音がほぼダダ洩れになっています。

エアフローよりも静音性を重視する方は、上部ファンは取り付けないのをおススメします。

実は強化ガラス製のサイドパネルが売られている

実はこのDefine R5用の「強化ガラス仕様のサイドパネルだけ」が単体の商品として販売されています。

販売元はFractal Design社なので、本家ですね。

最近では「中身を見せる」のをコンセプトとしてサイドパネルが強化ガラスになっているケースも増えてきているようで、この需要に合わせてDefine R5のオプションパーツとして製作したのでしょう。

Define R5は2014年発売ですが、当時からユーザーの評価も高く、最近後継機のR6が発売されたもののまだまだ現役として使われているでしょうから、こういった販売戦略もアリなんでしょうね。

強化ガラス製サイドパネルに交換してみたら大正解だった

正直「中身が見えるケース」なんぞには何の興味も無かったです。

ただ、上で書いた通り「サイドパネルが閉めづらい」といつも感じていましたし、基本「重いスチール製のサイドパネルなのにたわんでいる」のも気に入りません。

なので、試しにこの強化ガラス製サイドパネルを1枚買ってみました。

ちなみにこのサイドパネルは、ケースの左右どちらにも装着できるようになっています。

というか、今回初めて知ったのですが、Define R5のサイドパネルは左右を入れ替えることが出来ます。

Define R5のサイドパネルは、右面と左面でネジを締める部分(背面)の形状が違う(ケース主観右側のパネルには、本体のノッチをひっかけるための切り欠けがある)ので、完全に同じではありません。

なので、この強化ガラス製サイドパネルの商品説明に「左右どちらにも装着可能」と書いてあるのを読んで「どういう事だ?」と思っていたのですが、届いた商品を見ると「右側サイドパネル」の仕様になっていました。

つまりノッチを引っ掛けるための切り欠けがあるタイプですね。

実は右側サイドパネルは、ひっくり返すとそのまま左側に装着が可能になっているという、よく考えられたデザインなんですね。

これにはちょっと感動しました。

FN社でアサルトライフルを設計していたデザイナーでもいるんでしょうか、Fractal Design社。

Fractal Design社というのは北欧スウェーデンの会社なんですが、スウェーデン製品ってたまに凄く先進的なのもが出てきますよね。

で、実際に装着してみたんですが、あまり期待していなかったのに凄くイイですこれ。

まず、全面強化ガラスなのでたわみません。

ので、閉める際にガタつきません。スッと装着できます。

工作精度はFractal Design本家なので一分の隙も無く、ピッタリ嵌ります。

デフォルトのスチール製サイドパネルの建付けの悪さは一体何だったんだ?というぐらい、一瞬でサイドパネルがピタッと閉まってくれます。

もうこれだけで大満足なんですが、ガラス製なんで中のパーツが見える、というのを実際に体験してみて、これが予想外にカッコイイ事に気づきました。

最近のグラボはですね、頼んでもいないのにやたら光るんですよ。LEDで。

グラボどころかケース用のクーリングファンも何故かLEDで光ってたりします。

これがガラスケース越しに見えるようになって、なんか・・・クールなんですね。

都市の夜景を見ている感じといいましょうか、イルミネーションが綺麗?というあの感じです。

まぁはっきり言って電力の無駄以外の何物でも無いんですが・・・グラボメーカーのロゴやケースファンがピカピカ光る意味は何なんだっていうね。

ただ、中身の見えないケースだと本当に無駄に光っているだけのこれらのパーツが、ガラスにする事でちょっとでも意味が見いだせる気がします。

そんな気になる買い物でしたよ。

ただし、このサイドパネル、重いです。

全面強化ガラスなんで当然なんですが、片面だけでもずっしりと重くなることを覚悟しておきましょう。

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