私はAmazonのヘビーユーザーなので、当然のようにプライム会員です。
元々はAmazonから発送される商品の送料が無料になるというのが1番の目的だったのですが、Amazonプライムにはそれ以外にも「Amazon Prime Videoの対象タイトルが見放題」という特典があります。
もう何年も前からプライム会員だったのですが、つい最近までPrime Videoに関しては全く利用していませんでした。
利用していなかったのは「ストリーミング再生なんてどうせ見れた画質じゃないんでしょ?」「ラインナップもロクなものがないんでしょ?」と思っていたからなんですが、今年になってから試しに視聴を始めてみました。
結論から言うと「微妙」ですねコレ。
みんなコレ使ってるの?と思ってネットで検索すると、コスパだの配信数だの特典だの外から得られるスペック情報だけ小ぎれいに並べていて実際の使用感が一切書かれていない記事ばかり検索上位にひっかかるんですが、ああいうのって実際にはユーザーじゃないと思います。
ので、私ははっきりダメだと思った点を書こうと思います。
Amazon Prime Videoとは
Amazonの提供するストリーミングサービスで、国内外の映像作品、映画やアニメがブラウザで視聴できます。
いわゆる動画配信サービスですね。
Amazonで「プライム・ビデオ」のカテゴリで検索すると視聴できるタイトルを検索できるようになっており「プライム特典」になっているタイトルに限り、Amazonプライム会員なら無料で見放題です。
こんな感じで検索して、目当ての作品が見つかったらクリックすると専用のウィンドウで再生されます。
Amazonプライムの会員になるには当然年会費(¥4,000弱)を払う必要がありますが、最初に書いたように「Amazonからの配送料が無料」「お急ぎ便が使い放題」というメリットと共に、この「プライム特典の対象であるソフトは無料で見放題」という特典が付きます。
プライム特典の対象外である作品は、お金を払って期間限定で視聴が可能になるという、いわゆるネットレンタル形式になります。
Amazon Prime Videoの微妙な点
実際利用してみて「これ微妙だな」と思った理由を書きます。
特定のタイトルで再生が途切れまくる
特定のタイトルで再生が途切れまくり、視聴に耐えないレベルです。
30秒再生したと思ったらピタッと画面が止まってグルグル回る読み込み中アイコンが30秒表示される、で、次の30秒再生したと思ったらまたグールグル、という無限ループ。
時間帯が悪いのか、とか、そもそも自環境のインターネット帯域がしょぼするぎるのか、とも思うのですが、問題ないタイトルだと全く途切れもせず、画質も落ちずに最後まで再生できます。
一方で、この現象が起きるタイトルは何度リトライしようが、時間帯を変えようが一切状況は変わらず、途切れまくり。
恐らく該当タイトルが置いてあるクラウドと自宅までの経路の組み合わせが悪いとP2Pデータ送信がさっぱり間に合わず、毎回このダメな組み合わせが選択されるため、毎度途切れまくるのでしょう。
例えば特定のアニメシリーズの2話だけこのように再生が途切れまくり、他の話数は問題ない、とかいう状態に割と頻繁に遭遇します。
これ、ビデオ・オン・デマンドのサービス品質としては致命的ですよね。
だって1話を観て「あ、これ面白い」と思って次の2話も観たらピタッ、ピタッと途切れまくるんですよ。
ありていに言って超ムカつきます。
というかこの時点で「もういい、ヤメだヤメ!」となる事が普通にありますね。
観たい作品が無料かどうかは完全に運任せ
「プライム特典」に設定されているタイトルは無料で見放題なんですが、特典対象外のタイトルの比率の方が圧倒的に大きいです。
対象外だった場合、アニメなら1話¥200ぐらい、映画なら¥400ぐらいで「レンタルする」という形になります。
有料ならわざわざ「再生が途切れ途切れになる」リスクを冒してまでストリーミングで観ようとは思いません。
せいぜい30インチのPCモニターで観ることになる上、レンタル料金も円盤のレンタルと比較して全然安くない。
さらにAmazon Prime Videoの場合、こんな感じの良く分からんシステムになってます。
レンタル期間30日で、1度視聴を始めたら7日間でレンタル期限が切れる、と書いてあります。
この「1度視聴を始めたら7日間」の「7日間」の部分ですが、タイトルによって変わります。
洋画だとここが「48時間」だったりしますね。
で、「何が有料で、何がプライム特典なのか」という基準も良く分からない。
最新のアニメが無料だったりする一方で、1年前に放映終了したアニメが有料だったり、わりと最近の映画は無料なのに、さんざんTVで放映されたキャメロン版「タイタニック」が有料だったりと法則性がありません。
「懐かしのあのタイトル」をちょっとPCで観てみようかな、と思って検索するとプライム特典対象外だったりしてモヤっとしますね。
要するに「観たい作品がプライム特典対象とは限らない」うえ、特典対象になる基準が不明というのがひっかかる。
他のビデオ・オン・デマンドも無料枠ってのはこんな感じみたいなんですが、月額料金徴収しておきながら無料枠以外は追加料金が必要って、ちょっと意味が分からないですね。
何のための月額料金なんだよと。
「Amazonプライムの特典として対象タイトルのみPrime Videoが無料になってます」っていうのが、あくまでオマケというか、客寄せの体験版のようなものなんでしょうね。
Amazonとしてはこれを導線にして有料レンタルも利用させようって事でしょう。
Amazon Prime Videoの良い点
殆どのタイトルはブルーレイ画質で安定再生
最初にびっくりしたのがコレですね。
ウチの回線はauひかりの100Mbpsで、実測ダウンロード速度は70~80Mbps程度なんですが、Amazon Prime Videoで映画を観ると妙に画質がいい。
PCのインターネットブラウザ経由で動画再生ツールが起動するんですが、フルスクリーンモードにしてもブロックノイズとか全然見えないんですよ。
画面下部のナビゲーションメニューを見ると「HD1080p」と表示されていて、これはつまりフルHD(1920×1080)ですのでブルーレイ画質なんですね。
しかも私が観た映画は2時間近く再生していて1度も動画が途切れたり、画質が落ちたりしませんでした。
さらに最近のアニメもHD1080pで再生されますので、これもブルーレイ画質という事になります。
「所詮ビデオ・オン・デマンドだし、酷い画質なんだろうな」と舐めていたのですが、さすが有料サービスだけあってニコニコやYouTubeとは比べものにならない高画質ですね。
私は基本、映画やアニメをちゃんと観るときは120インチのプロジェクターで観るんですが、PC作業の合間にちょっと休憩したい時は「PC TV Plus」というPS4のトルネに録画された動画をLAN経由でPCで再生するソフトを使う事があります。
こいつは家のLANに繋がっているトルネから動画をストリーミングしているだけ、つまりPS4でのトルネ再生をPCを使ってやるだけなんですが、びっくりするほど画質が悪い。
PS4本体のトルネで観るとそんな事は無いのですが、PC TV Plusでフルスクリーンモードにするとブロックノイズが酷いんですね。
明らかに「DVD画質以下」で再生されています。
同じLAN上からデータをダウンロードしているわけですから全く納得が行かないのですが、一方のAmazon Prime Videoはインターネットクラウドからのストリーミング再生なのに全然画質が良くて比較になりません。
もう一つびっくりしたのは、私がメインで使っているPCモニターは3,440×1,400ドット、34インチのウルトラワイドなんですが、フルスクリーンモードにした場合、この21:9の超横長画面ぴったりに映画が表示されます。
てっきり16:9を最大にして、はみ出た部部分はカットされるのかと思ったのですが、ちゃんとモニター解像度に合わせて最も適切な映像を配信しているようです(もちろんアニメとか、元の映像が対応していない場合は16:9どまり)。
※但し、画質はともかく最初に「微妙な点」として挙げたように、再生が途切れまくるタイトルが存在します。
これは本当にダメ、とても観れたもんじゃないです。
割合として、私の環境では80%のタイトルは問題なくブルーレイ画質で再生されますが、残り20%のタイトルは途切れまくりでそもそも視聴に耐えません。
今期アニメの最新話がオンタイムで普通に見れるようになっている
まだ放送中のいわゆる今期アニメもプライム特典で見れるようになっています。
それも「何週間も遅れて」ではなく、ほぼオンタイムで最新話が観れるようになっています。
もちろん全ての番組が、というわけではないのですが、話題になっているようなタイトル、Amazon Prime Video独占配信タイトルなんかはオンタイムですね。
私はよく「今期アニメってもう始まってたっけ?」と最初の数話の録画を忘れてしまい「あれ、もう3話なのね。・・・あァそう・・・じゃあこれはいっか」とそのまま最後までスルーしてしまう、という事があります。
あるいは「これはスルーだな」と最初から録画予約にも入れないでいた作品が放送中に「今期覇権は確実」などと話題になっていて「え?マジッすか?」と慌てるなんて事もしばしば。
そうやって見逃した作品をAmazon Prime Videoで一話からまとめて追っかけ視聴することができるので、これは重宝します。
例えば最近では「約束のネバーランド」「どろろ」を完全にスルーしてたんですが、えらく話題になっていたのでAmazon Prime Videoで全話観ました(「どろろ」はまだ放送中)。
両者とも凄く面白く、作画のクオリティも高くて「何をスルーしてるんだお前わ」状態なんですが、こういう時にはAmazon Prime Videoもなかなか使えるじゃん、と思います。
広告無し、期間制限無しで、好きな時にお手軽に視聴できる
私はニコニコ動画、YouTubeも良く観るのですが、両社とも「プレミアム会員」では無いのでウザい広告がひっきり無しに現れて閉口モノです。
そりゃあ無料なんだから当たり前だよって話ですが。
Amazon Prime Videoは、プライム特典対象のタイトルであればアニメなどのシリーズ物も「一話だけ無料」とか「1週間だけ視聴可能」とか言うセコい縛りが全く無い上、Amazonの商品検索(カテゴリ・Prime Video)から観たい作品を探してクリックするだけ、とインターフェイスも分かり易くお手軽です。
視聴中に変な時報が入って中断されたり、画面の端々にバナー広告が現れたりという事も一切ありません。
※厳密には再生開始前に5秒程度、他の配信中タイトルの紹介映像が流れますが、レンタルDVDに良く入っているソレよりはるかに短いので気になりませんし、本編が始まったら一切そのような関係ない映像は流れません。
最初にも述べましたが、私はもともと「Amazonを頻繁に利用するから送料が無料になるだけでプライムの年会費がチャラになって元を取れるどころかお釣りがくる」「お急ぎ便も使い放題」というのが主目的でプライムに入会しました。
実はプライム会員どころかAmazon Master Goldカードを使っているので、プライムの会費すら払っていません(Goldカードの年会費から引かれるのでチャラになる)。
つまりAmazon Prime Videoはあくまで無料で付いてくる特典なんですが、まぁオマケにしては割と使えるサービスになっているじゃないでしょうか。
まとめ
どんな時にAmazon Prime Videoの利便性を感じるかと言うと次のとおりです。
- 録画もせず、見逃してしまったアニメが運よくプライム特典対象だったら、ブルーレイ画質で追っかけ視聴できる
- レンタルもせずにスルーしていた映画などが運よくプライム特典対象だったら、まぁ休憩がてら観てみるかという気になる
- YouTubeやニコニコに違法アップロードされている低画質のソフトを観るくらいなら、Amazonで正規に配信している高画質のものを観た方がマシ(配信されている且つ、プライム特典対象に限る)
一方で「所詮ビデオ・オン・デマンドなんて微妙だよな」と感じた点は
- 再生が途切れまくるタイトルがあり、それらはとても観れたもんじゃない
- 観たい作品が無料(プライム特典)とは限らない
- そもそも観たい作品が配信されてない事も多い(YouTubeやニコニコには低画質で違法アップされてるけど)
こういったところですね。
Amazon Prime Videoじたいは最初に書いたように微妙なサービスです。
ハッキリ言ってこの「Prime Videoの無料特典」をもって「だからAmazonプライムはお得」とはなりません。
これただの宣伝素材、よく言ってもオマケです。
ですがまぁ、Amazonプライムは送料とお急ぎ便が無料になるという時点でAmazonのヘビーユーザーなら確実にお釣りがくると思います。
気になる方はプライムの無料体験というのもあるようなので試してみるのもいいかも知れませんね。