2020年8月末に海外で発売され、日本では発売予定が無い現状最強スペックのAndroidタブレットSamsung Galaxy Tab S7+をAmazon経由で購入したのでレビューしたいと思います。
Sony Xperia Z4 Tabletからの乗り換え
私はここ数年はSonyのXperia Z4 Tabletを愛用していました。
このAndroidタブレットは解像度2560×1600、画面サイズ10.1インチで重量389gという超軽量、さらに防水・防塵仕様という発売当時は最強スペックの製品でした。
まさにSonyにしか作れない唯一無二の名機です。
ですがこの製品は2015年6月に発売されたもので、残念ながらSonyはこの機種を最後にAndoridタブレット市場から撤退しました。
つまり後継機種は開発されていません。
XPERIA Tablet 4の動作がモッサリしてきた
Xperia Z4 Tabletを私は5年間使い続けている事になりますが、明らかな動作不具合は一切ありません。
バッテリーも経年劣化しているはずですが、すぐに減るとか充電できないとかいった事も無く、普段の使用においては何も問題ありません。
では何故今回Galaxy Tab S7+に乗り換えたかと言うと、流石に5年前の機種だからなのか、動作がモッサリしてきたんですよね。
まぁAndroid OS自体がどうしようもない糞なので、昔からAndroid端末は携帯だろうがタブレットだろうがネットサーフィンですらイチイチ動作が引っかかる不愉快な欠陥品ばかりなんですが、それでもXperia Z4 Tabletは最初はそれほど気になる動作の引っかかりはありませんでした。
ところがそのXperia Z4 Tabletも最近だとアプリがバックグラウンドに複数残っている状態ではあからさまに動作がガックガクになり、検索窓に文字を入力するのでさえマトモに出来なくなってきました。
ソフトウェアキーボードのボタンを1文字押しても数秒後にやっと反応する、とかいうレベルです。
バッググラウンドに残っているアプリを全部閉じればすればこの現象は嘘のように解消されるんですが、動作が重くなる度にイチイチ手動でバックグラウンドからアプリを消さなきゃネットサーフィンすらままならないのが非常に面倒臭くて辟易していました。
そんな訳でSamsung Galaxy Tab S7及びS7+の高スペックを見て「替えてみるか」と思った次第です。
Samsung Galaxy Tab S7+をAmazonで購入
Galaxy Tab S7/S7+は日本では発売されていません。
なので海外通販を利用するしかないのですが、Amazonに出品している業者があったので最安値のところで注文しました。
Wi-Fiオンリー、ストレージ256GBモデルでお値段12万円程度です。
注文から1週間ほどで特に問題も無くちゃんと新品の商品が送られてきましたね。
付属品はACアダプターとUSB Type-Cケーブル、電源変換プラグ、Sペン
付属のACアダプターのプラグは韓国仕様であり、日本のコンセントにはそのままでは挿さりません。
右端の変換プラグは業者のサービス品らしく、本体箱の外、梱包の内側に裸のまま放り込んでありました。
初回充電の際はこの付属のアダプターに変換プラグをかまして使いましたが、普通に充電できます。
箱出し状態で既に50%ぐらい充電が残っており、1時間半程度で100%になりました。
ただ、充電器本体が結構熱くなりますし、PSEマークも付いていません。
100均で売ってそうな変換プラグも含め、発火が怖いのでこの充電器は使わない事にしました。
私のAndroid Tablet使用用途
レビューにあたり、そもそもどのような目的でタブレットを使っているかによって評価も変わると思いますので私の使用用途を書いておきます。
- ネットサーフィン
- Amazon Kindle
- Amazon Primeビデオ視聴
- Amazonアプリによるショッピング
- YouTube視聴
- YouTube以外の動画視聴(XPlayer)
- 音楽再生(Google Play Music)
- 自炊した書籍を読む(Perfect Viewer)
書籍ビューワー以外はベッドサイドでのネットサーフィン、動画視聴がメインという事になります。
私はスマホゲーは全くやらないのでゲーム機としての性能なんぞには興味がありません。
タブレットをわざわざキーボードと接続してスタバで仕事()するなんて用途に使うつもりもありませんので、DeXとかいうマルチウィンドウモードにも興味ゼロです。
タブレットで写真撮るとか言う意味不明な事もしないのでカメラのスペックも無視です。むしろ撮影用のカメラなんぞ無くていいわ。
Apple PencilのパクリのSペンとか言うスタイラスも付属しているんですが、タブレットに手書きするとか言う意味不明な事もしないので全力スルーしてます。誰が何の目的でこんなしょーもないオモチャ使うんですかね?
背面から見たところです。
Sペンとか言うスタイラスは磁石で写真の位置にくっ付くようになっています。
最初にペアリング作業をしなければならないのですが、写真の向きでこの位置にペタッとくっ付ける必要があります。
ハッキリ言ってこのSペン、邪魔でしかないです。
普通に考えて背面のこんなところに磁石でこんなもんくっ付けておくなんて頭おかしいですね。
Samsung Galaxy Tab S7+の良い点
買って良かったと感じた点は以下の通りです。
- 動作はものすごく軽快
- 画面が大きい&綺麗
- 指紋認証・顔認証・パターン認証がお手軽で便利
- 内部ストレージが256Gと充分な容量
動作はものすごく軽快
Geekbenchを取ってみました。
一方、Xperia Z4 Tabletの値はこちらです。
Galaxy Tablet S7+はZ4 Tabletの約3~3.5倍の性能になっています。
5年前の製品の3倍程度のスコアと考えるとショボいような気もしますが、あらゆる操作がサックサクで、糞Android特有の引っかかりを全く感じません。
型落ちiPhoneレベルの快適操作で、とてもAndroidとは思えません(褒めてます)。
私が1番期待していたのがこの点なので、この時点で満足度はかなり高いです。
画面が大きい&綺麗
Xperia Z4 Tabletからの乗り換えにあたり譲れなかったのがこの点です。
Galaxy Tablet S7+の画面は
- 12.4インチ(リフレッシュレート120Hz対応)
- 2,800×1,752
- 有機EL
- 266ppi
というスペックです。
Xperia Z4 Tabletの画面は
- 10.1インチ
- 2,560×1,600
- TFT LED液晶
なので、比較すると順当にグレードアップしています。
10.1インチのタブレットというのも充分大きいのですが、一度12.4インチのタブレットを使ってしまうと10.1インチはかなり小さく感じますね。
一方、Plusではない無印のGalaxy Tablet S7の画面は
- 11インチ(リフレッシュレート120Hz対応)
- 2,560×1,600
- 液晶
- 276ppi
であり、有機ELでもありませんし、解像度もXperia Z4 Tabletと同じなので、5年前の製品と大差無いという事になりますね。
Xperia Z4 Tabletがいかに先進的であったかが窺えます。
指紋認証・顔認証・パターン認証がお手軽で便利
Galaxy Tablet S7+には起動時のロック解除方法として、従来のパスワード入力に加え指紋認証・顔認証・パターン認証が使えます。
最近のスマホには普通に備わっている機能ですが、5年前のXperia Z4 Tabletにはパスワード入力しか無かったため、デバイス再起動時等のロック解除が面倒でした。
私は指紋認証・顔認証・パターン認証を全て登録したのですが、毎回いずれかの認証が働いてすんなりログインできます。
但し、顔認証の速度はiPhoneと遜色ないレベルなんですが、画面をタッチする指紋認証はかつてのiPhoneよりも認証されるまでの時間がちょっと長いですね。
iPhone 8の頃の指紋認証はセンサーを触ると一瞬で認識したのですが、Galaxy Tab S7+は指の第一関節全体を画面にしっかり押し付けないと認識してくれません。
内部ストレージが256Gと充分な容量
Xperia Z4 Tabletは内部ストレージ容量が32Gしかありませんでしたので、Amazon Kindleのヘビーユーザーである私は128GのマイクロSDカードを装着し、Kindleのデータを含むメディアデータは全てSDカードに保存していました。
Galaxy Tab S7+の内部ストレージは最小容量モデルでも256Gあるため、内部ストレージだけでXperia Z4 Tabletの8倍の容量がある事になります。
私は紙媒体しかない書籍を自炊したものをpdf、zip化してタブレットで読む事も多く、Xperia Z4 Tabletで使っていたSDカードも100G近く使っていました。
Xperia Z4 Tabletの認識できるSDカードの容量は最大128Gだったので、Galaxy Tab S7+の内部ストレージの256Gだけで既に十分な気がしますが、ストレージの容量は多いに越したことはありません。
なので今回、Galaxy Tablet S7+のマイクロSDカードスロットに256Gのカードを買って装着しました。
内部ストレージと合わせて512Gの大容量になり、まず余りまくると思われるんですが、本体カバーを装着した後にマイクロSDを装着する必要が出てきたりすると後々面倒なので先に増やしておきます。
Samsung Galaxy Tab S7+の残念な点
残念な点も沢山あります。
- Samsung純正のACアダプターが必須
- 値段が高い
- 重い
- カバーケース無しでは扱いづらい
Samsung純正のACアダプターが必須
Galaxy Tablet S7+は「45Wの超急速充電に対応している」というのが謳い文句なんですが、「超急速」はさておき、普通に充電する事すらできないというトラブルに見舞われました。
本体に付属してきたACアダプターでは問題なく充電できるのですが、「USB PD 3.0且つPPS対応のACアダプター」と「PD対応USB Type-C」ケーブルなら超急速充電が可能、というブログ記事を真に受けて次の充電器を買いました。
値段は2,800円ぐらいです。
このアダプターはあっちこっちのブログでGalaxy Tab S7の急速充電に使える機種、として紹介されています。
USBケーブルが付属していないので、USB PD対応のType-Cのケーブルを別途購入しました。
アダプターもケーブルも、どちらもオウルテックの製品です。
オウルテックはネームバリューのあるメーカーですのでまぁ間違いないだろうと思っていたのですが、これが全くダメ。
ケーブルを繋いだ瞬間はGalaxy Tablet S7+の画面に「超急速充電 残り1時間30分」と出るんですが、1時間30分後に確認して見ると充電前から10%しか増えていない。
10時間充電しても80%程度しか充電されません。
適当なブロガーが確認もせずにスペックだけ見て「コレは使える」と書いてますが、全然ダメです。
アダプターのスペックを再確認しましたが、確かにUSB PD-PPS対応と書かれており、最大30Wまで出力できるはずです。
でもダメ。
バッテリー残量10%の状態から一晩充電して朝になってもフルになっておらず、愕然としました。
最初はタブレット本体が壊れているのかと疑いましたが、本体付属のACアダプターでは問題なくフル充電できています。
なので、高いんですがSamsung純正のアダプターを別途購入してみました。
5,500円近くします。高いですね。
ですがこちらはUSBケーブルが付属しており、ケーブルのコネクタにも5Aと刻印されていますので、5Aでの電源供給に対応しているという事でしょう。
こちらを使ったところ、めちゃくちゃ充電が速い!まさに超急速充電でした。
バッテリー残量10%の状態から1時間30分であっさりフル充電されました。
という事で、Samsung純正のアダプターを最初から買っておけば問題無かったという結論なんですが、サードパーティー製と比べると高いんですよねコレ。
本体価格だけ見るとオウルテック製の倍の値段ですよ。
ただ、オウルテックの中国製アダプターにはUSBケーブルが付属してませんので、ケーブルの値段をプラスするとそこまで大差無いですし、まともに充電できないなら意味がありません。
Galaxy Tab S7+を購入したら、迷わずSamsung純正のアダプターを買うべきですね。
どうもこのGalaxy Tablet S7/S7+、充電に関しては怪しい記事が結構出回ってます。
USB-PD PPSはアダプターとデバイスの間で対応できる電力のリストをやり取りする仕様らしいので、実はGalaxy Tab S7+側が純正アダプター以外に対してわざとショボい電力を要求してるんじゃないかって気がしますね。
値段が高い
インターネット接続に5Gを含むのかWi-Fiオンリーなのか、ストレージが256Gか512Gか、と同じGlaxy Tab S7+の中でもスペックの違う複数モデルが存在します。
私が購入したのはWi-Fiオンリー、ストレージ256Gなんですが、並行輸入品で12万円程度でした。
発売直後の製品、しかも並行輸入品という事を鑑みても結構なお値段です。
まぁiPad Proの同等スペック製品と比べたらむしろちょっと安いぐらいなんですが、Xperia Z4 Tabletが発売当時76,000円程度だった事を考えるとやっぱり高く感じますね。
重い
世界最薄、最軽量が謳い文句だったXperia Z4 Tabletと比べると、めちゃくちゃ重く感じます。
Xperia Z4 Tabletが389gに対してGalaxy Tab S7+は575gです。
約1.47倍の重さになってます。
もちろん本体のサイズも一回り大きいのですが、この重さではベッドで仰向けに寝っ転がってタブレットを使うなんて事は実際不可能です。
私はタブレットアームも使っているのですが、この重さを支えるのはギリギリで、関節部のネジを最大限に締めてもアームの角度によっては支きれず、重力に任せてだらんと垂れ下がってしまいます。
恐ろしいことに、iPad Proはこれよりも重いらしいですね。
カバーケース無しでは扱いづらい
Xperia Z4 Tabletは本体背面がプラスチック且つ、4辺全体が丸く面取りされているので、カバー無しの状態で多少雑に扱っても本体に瑕が付きにくい造りになっています。
なので私はXperia Z4 Tabletは完全に裸の状態で使っていました。
一方Galaxy Tab S7+の方はどうかというと、本体はアルミ削り出しで四隅は丸く打ち抜かれているものの、金属のエッジ部分が全体的にかなりシャープです。
昨今のiPhoneやiPadのようにガラスコーティングされているわけでもなく、まさに「アルミ板を切り抜いた」という感じです。
これを強化ガラスのテーブルの上とかで使っていると、エッジ部分が机にぶつかってガタガタに凹むのは必至です。
また、Xperia Z4 Tabletは背面カメラが完全に背面に埋まっており、1ミリも突出していないのですが、Galaxy Tablet S7+はiPhone並に背面カメラがボコっと飛び出ています。
なのでテーブルの上に直接置くと背面カメラがまず接地してしまいます。
この本体のシャープなエッジと突出した背面カメラのせいで、カバー無しで裸で使うのは非常にためらわれる造りになっています。
Samsung純正のカバーや、サードパーティー製のカバーもそれなりに発売されているのですが、殆ど全てフォリオカバータイプの大仰なものばかりです。
このタイプのケースカバーは背面だけでなく前面もがっつり覆うようになっているうえ、カバーを折ることでスタンドも兼ねるという、もはやタブレットがタブレットではなくなる意味不明な商品ばかりです。
そもそもスマホやタブレットはカバーを付ける前提で設計されていないため、放熱の観点から私はスマホにもバンパータイプのケースしか絶対使わない派なんですが、Galaxy Tablet S7+用のバンパーケースは1個もありません。
なので、TPU素材のカバーに革用のハトメ抜きを使って穴を開け、メッシュタイプに改造して使う事にしました。
これがなかなか上手くいきましたね。
TPU素材のカバーはこちら。
1,300円程度の安いものなんですが、サイズもピッタリで、タブレットの背面とエッジを保護するという用途では充分です。
これは革細工用の工具で、ハトメ抜きと言うものです。
60号=直径18mmの穴を開ける事ができます。
お値段2,300円もします。
ハトメ抜きの方がタブレットカバー本体より高いんですが、安いハトメ抜きだと刃がちゃんと付いておらず穴を開けるのに苦労すると書かれていたので、クラフト社というちゃんとしたメーカーの物を買いました。
まずPhotoshopで本体のサイズに合わせて穴を開ける位置を描き、A4サイズの紙にプリントアウトします。
この紙をカバー裏面にマスキングテープで貼り付け、ハトメ抜きをハンマーで叩いて1個ずつ穴を開けていきます。
穴を全部開けた状態です。
面倒くさいだけで特に難しい点はありません。
装着したところ(背面)です。
このケースは半クリアと書かれている通り、背面はスモーク処理されています。
ケースの厚みは2mmぐらいあるのですが、ハトメ抜きで綺麗に穴が開きました。
エッジを保護しつつ、背面からの放熱をある程度ですが妨げない状態になりました。
本当は丸裸の状態がベストなんですが、Galaxy Tablet S7+に関してはちょっとそれは憚られるので妥協点としてはこんな所でしょうか。
見た目がカッコイイとはとても言えないので、ちゃんとしたバンパータイプのケースが発売されれば速攻で買うんですが、期待薄でしょうねえ。