私は仕事でもプライベートでもメインPCではTruly Ergonomic Mechanical Keyboard(以降TEK)を使用しています。
このキーボードは完全左右対称デザイン且つ一般的なテンキーレスキーボードよりも横幅が狭いコンパクト設計、なのにファンクションキーを始めコンパクトキーボードでは省略されがちなキーが全て揃っているフルキー仕様、しかもキー配置は使いづらい変態仕様ではなく、打ちやすく考えられているという名機です。
お値段は2016年当時2万5千円程と決して安くはないですが、私はこれを3台購入して会社と家で今でも現役で使っています。
旧TEKは廃盤となり、後継機CLEAVEが2019年に発表された
私が使っているTEKは未だに現役で特に不具合も無い状態なのですが、流石に購入してから5年近く経過しており、多少劣化してきている感はあります。
TEKじたい結構なお値段がするものの、これに勝る名機は未だに無いので予備が欲しいと思っていました。
ところがTEKは早々に廃盤になってしまい、今では新品の入手は不可能です。
そんな折の2019年、Truly Ergonoic社の公式ホームページで後継機であるTruly Ergonomic Keyboard CLEAVEの開発が発表され、早期予約が開始されました。
公式ページのスペックを見てもらうと分かる通り、かなり豪華な設計になっています。
スイッチは赤外線による光学方式でフレームはアルミ製、キーはスイッチごと交換可能です。
自作キーボード界隈ではよく見かける「キースイッチがフレームに埋まっていない」造りなので耐水・耐埃・耐スナック菓子構造とも書かれています。
見るからに掃除しやすそうですね。
そして私的に1番大きかったのはキーキャップがLEDバックライト仕様なんですね。
キーキャップのLEDバックライトは決して気分の問題ではなく、照明を消した部屋でキーボードを使う際に必須の機能です。
私は当然、何の迷いもなく速攻で2台予約しました。
当時は早期予約キャンペーンでかなり割引が効いており、請求書を見ると2台で$370になってますね。
予約したのが2019年5月16日で、代金も早々に引き落とされました。
早速2台とも開封、旧TEKと置き換え
今回の記事ではファーストインプレッションを紹介します。
こんなマニアックな記事を読む方は当然、TEKを持っていて至上の名機だと思っている、私と同類の人間だと思うのでその前提で一言で言うと、まあまあ期待通りの後継機です。
後で書きますが、TEKは完全左右対称デザインだったのにCLEAVEではこれが崩れ、しかも明らかに改悪された配置になっているので不満点はあります。
望んでいた後継機の理想形か?と言うと違います。
ですがまあ、他に選択肢も無いし、TEKからの乗り換えを考えている人には「今すぐポチりましょう」とおススメしておきます。
どうせすぐに廃盤になる気がしますしね。
外観
外観なんぞ公式ページで見れば済む話なんですが、軽く触れておきます。
公式ページでは本体フレーム部分はもっとシルバーがかっていていかにもアルミっぽいのですが、実際の商品は黒みがかっています。
シルバーと言うよりガンメタルですね。
裏面はTEKと同様ごくごくシンプル。
総アルミではなく、底面は樹脂製です。
傾きを調整するためのチルトスタンドみたいなものは一切ありません。
キーの総数は91個と増えたが、左右対称デザインが崩れて配置も改悪
右側38個、左側36個、上側のファンクションキー等が17個あります。
合計91個のキーがあり、TEKは88キーでしたので3キー増えています。
TEKから変わったのは以下の点です。
- 完全左右対象ではなくなった。
- 左右の境界線にあたる真ん中の位置に、TEKでは横長のキーで「真ん中列」として配置されていたものが、CLEAVEでは左右に分割されてそれぞれのサイドに属する形となった。
- 左側のCtrlとShiftの上下関係が、CLEAVEでは上がCtrl、下がShiftと逆転した。
完全左右対称では無くなった
右側から横長のCtrlキーが無くなりました。
左側には横長Ctrlの上に横長Tabもありますが、右側にはありません。
TEKと比べて「真ん中列」に無駄な空白が生まれてしまっている上、TEKでは真ん中に配置されていたTabが無くなって左側Ctrlの上に配置されてしまっています。
しかも「旧真ん中列」にあたる、CLEAVEでは左右に分割されて分かれたキーに何がアサインされているかというと、Cut, Paste, Undo, Copyという「マクロ」です。
もうね、馬鹿かアホかと。
TEKではこの位置に横長のDelte, Tab, Enter, BackSpaceが配置されており、左右どちらかも押せるという神仕様だったのに、わざわざちっちゃいキーに分割した上、アサインしたのがCut, Paste, Undo, Copyってお前…。
この変更はハッキリ言って改悪です。
しかもこのせいで左右対称デザインが崩れてしまいました。
特に右側に横長のCtrlキーが無くなったのが非常に痛いです。
CtrlとShiftはどう考えても両側に必要でしょう。
左右どちら側も、矢印キーの横に縦長のCtrlとAltがありますが、こんな位置に「同時押し」でしか使わない特殊キーを配置しているのが一般的なゴミキーボードのダメな所なんだから、全く意味がありません。
CLEAVEの最大残念ポイントがこの改悪キー配置ですね。
日本語配列で使うなら、まずOSレイアウトモードをCustomize Layoutに変更
CLEAVEの箱にはペラ1枚のQucik Setupマニュアルが同梱されています。
これには必要十分な情報が載っているんですが、公式ページを探してもデジタルデータはアップされておらず、見ることができないようです。
こういう所がTruly Ergonomic社の気の利かない点ですね。
仕方ないのでスキャン画像を紹介します。
裏面はこちら。
このマニュアルじたいはシンプル且つ必要な情報がちゃんと揃っていて、出来は良いです。
不要な情報ばかりゴチャゴチャ書かれた何十ページものちっちゃな冊子を付属してくるトチ狂ったメーカーがありますが、あんなものに比べればこういうペラ1枚の方がよっぽど機能的ですね。
このマニュアルによると、Fn + Esc + Qを同時に押す事でCustomize Layoutというモードに設定されます。
Fn + Esc + Qを同時に押すと、しばらく幾つかのキーのバックライトが青く点滅するのでモードが切り替わった事が分かります。
キーボードのマッピングを変えようと思う人は、まずこのCustomize Layoutモードに変更しましょう。
このモードは何かというと、CLEAVEの以下の特殊キーに別のキーコードが割り当てられるようになります。
デフォルト | Customize Layout |
Back-Tab | F16 |
secondary Left Ctrl | F17 |
secondary Left Shift | F19 |
Cut | F20 |
Paste | F22 |
Undo | F23 |
secondary Delete | F24 |
私はUS配列のキーボードを使う時はフリーソフトのKeySwapでキーコードを変換しています。
そして、これらの特殊キーはデフォルトモードだとKeySwapでマッピングを変えることができません。
どういう事かというと、例えば「Cut」は「Ctrl + x」がマクロで登録されているらしく、KeySwapは1個のキーコードを別の1個のキーコードに入れ替えるというツールなので、このキーを別コードに変更する事はできないというわけです。
同様に「Back-Tab」はShift + Tabだったりするので、 これらのキーはデフォルトではKeySwapでアサインを変えられない、という事になります。
7個ものキーがアサイン変更不可となると、US配列のキーボードを日本語配列で使いたいという場合には致命的です。
しかし、OSレイアウトモードをCustomize Layoutに変更すると、これらのキーにはF16~F24のキーコードが1個ずつ割り当てられます。
これにより、KeySwapでこれらのキーを入れ替える事ができるようになるという訳です。
実際、日本語配列として使うためにはカットやらペーストやらバックタブなんてお節介なキーよりも、もっと必要なキーが足りていなかったりするので、これらのキーには別のコードをアサインする事になります。
これらの特殊キー(というかマクロ)は先に述べたようにCLEAVEの最大の改悪ポイントなんですが、リマッピングができるオプションを用意してくれているあたりはまともな対応ですね。
CLEAVEの良い点
- とにかくLEDが嬉しい。
- ControlとShiftに関して最初からControlが上に配置されている。
- Cherry軸と互換性のあるキーキャップであれば差し替えが可能で、ELECOMのゲーミングキーボードのキーキャップがドンピシャで使える。
- 見るからに掃除しやすい構造が嬉しい。確実に掃除の手間が減る。
- デザインがTEKよりもカッコよくなった。高級感がある。
- TEKで製品によって発生していたらしい「チャタリング」は一切発生していない。
ほぼ正統進化系の製品なのでTEKから引き継がれている良さである「(ほぼ)左右対称デザインで手首の負担が少なく、打ちやすい」という点については改めて触れません。
スイッチが赤外線方式になったという事で、メカニカルな点に関してもきっと改良されているんでしょう。
私の所持するTEKにはチャタリング等の問題は発生しなかったので、キースイッチについては「LEDバックライト仕様が嬉しい」という以外は「ここがすごく良くなった」という感じはありません。
対して、完全左右対称デザインがTEKの最も重要な個性だったのに、それを明らかに改悪する形で崩してしまったという点で劣化しています。
…なんですが、いまのところ私にとって仕事用キーボードとしてはこのCLEAVE以外考えられないぐらいには満足しています。
KeySwapで1部キーコードを入れ替え、日本語配列として使う
私はUS配列のままキーボードを使うなんて器用な真似はできないので、TEKに関してはKeySwapというフリーソフトでキーコードを日本語用に変換して使っていました。
CLEAVEにも公式が配付しているキーマッピング変更ソフトなんてものは存在しませんので、やはり同じようにKeySwapでキーコードを入れ替えました。
リマッピング後の私のCLEAVEはこうなっています。
赤枠で囲んだ部分は、キートップの表示と一致するようにリマップしています。
キートップが記号で分かりにくいモノに関しては文字で追記しています。
Customize Layoutにすると特殊キーが機能しなくなるため、例えば左のスペースバーには改めてKeySwapでSpaceをリマップしています。
BackSpaceの対面のキーをDeleteにリマップしています。これもCustomize Layoutにすると効かなくなったキーですね。
「@」及び「^~」については、リマップできるキーが他に無いので特殊キーの位置にリマップしています。
左側スペースバーの右にある横長斜めキーは、デフォルトではTabになってますがEnterにリマップして、左右どちらの親指でもEnterが押せるようにしています。
なんと驚くべき事に、CLEAVEはデフォルトだと左側だけに3個もTabキーがあるという完全に頭がおかしい配置なんですね。
いらんだろどう考えてもTabばっかり3個も。
「キーキャップ日本語配列では?」と気づいた方、この写真は完成形なのでキーキャップを差し替えています。
そちらについては後述します。
KeySwapの設定ファイルはこんな感じです。
KeySwapは古いソフトのためかUIがかなり使いづらく、なかなか思い通りのリマッピングができません。
このソフトで使いづらいのは「リマッピングの順番を間違えると最初からやり直し」な点ですね。
どういう事かというと「変換前はAというキーをBにリマップする」設定を書いた後「変換前はBであるキーをCにリマップする」という書き方をすると、Aが最終的にCになってしまうんですね。
変換前(オリジナル) | 変換先 |
A | B |
B | C |
この設定順だとダメで、Aを押してもBを押しても両方Cになってしまいます。
変換前(オリジナル) | 変換先 |
B | C |
A | B |
こう書けば意図通り、BがCに、AがBに変換されます。
要は変換が上から順に適用されるって事ですね。
これに気づかないとハマる事になりますし、順番を間違えても入れ替える事ができないため、かなり面倒臭いです。
まぁ最初の1回だけなんで我慢するしかありません。
LEDバックライト対応の日本語キーキャップに差し替える
CLEAVEはUS配列版しか存在しません。
US配列だと、例えば数字キーをShift入力した場合に出力される文字が日本語配列とは異なります。
なのでキートップに印字されている文字にも以下のような違いがあります。
数字 | Shiftを押した場合(US) | Shiftを押した場合(日本語) |
6 | ^ | & |
7 | & | ‘ |
8 | ‘ | ( |
9 | ( | ) |
0 | ) | 無し |
実際に入力される文字は、日本語OS&日本語キーボード設定のPCでは日本語キーボード側の文字になります。
つまりキートップの見た目と実際に入力される文字が異なってしまいます。
このようなUS配列と日本語配列の違いは数字キーに限らず他にも幾つかあり、タイピング中に視覚情報に引っ張られてしまうので紛らわしくて非常に困ります。
TEKはMajestouchのキーキャップと互換性があった(というか同じCherry軸でキートップの高さがある程度TEKのキーと近かった)ので、私はMajestouchの日本語用キーキャップセット(4,000円強ぐらい)を買い、印字がズレているキーに関してのみ差し替えて使っていました。
しかしCLEAVEの場合はLEDバックライトに対応した透過型キーキャップが必要なので、透過型が一切存在しないMajestouchのキーキャップは使えません。
公式が日本語配列バージョンを発売してくれるのがベストなんですが、これは望むべくも無いでしょう。
さてどうしようかなぁ、と困ったのですが、以前このブログでも紹介した、サブPCで使っているELECOMのゲーミングキーボードもCherry茶軸だったよなと思いいたり、試しに幾つかのキーキャップを外して差し替えてみたところ、これがなんとドンピシャで一致しました。
まるであつらえたようにピッタリ嵌るし、キーの高さも全く違和感ないレベルで他のキーと揃っています。
USキートップ問題、これで完全解決です。
どうですか、全く違和感ありませんよね。
赤枠で囲んだキーがELECOMのキーボードから引っこ抜いたキーキャップです。
キーキャップの高さに関して殆ど差異が無く、TEKにMajestouchのキーキャップセットを嵌めた状態よりも明らかにしっくりと馴染んでいます。
これぐらい違和感無いです。
「半角/全角キー」がこんな位置にあるのは、US配列のキーボードを日本語環境で使った場合のキー(^~)がCLEAVEではデフォルトでここにあったからです。
別にここでいいか、とリマップせずキーキャップのみELECOMの物で換装しました。
「半角/全角キー」の左側のキーはBack-Tabで、要はShift + Tabのマクロが登録されています。
いやShift +Tab押せばええやん。
どんだけTabの優先度が高いんだよTruly Ergonomic社。
厳密には「@」キーだけELECOM側のキーの高さが全く足りておらず、このキーだけガタンと下がってしまったので、ここにはCLEAVEに元から嵌っていた「2@」キーを嵌めてあります。
これはELECOMのキーボードに嵌っていた「@」のキーキャップで差し替えてみた写真です。
非常に分かりづらいのですが、キーキャップの高さが他の半分ほどしかなく、このキーだけ凹んでしまっています。
これでは誤爆しやすいので、CLEAVEに元から嵌っていた「2@」キーをここに嵌めなおしました。
LEDバックライトも全く問題なく透過しています。
CLEAVEに対する不満点
- 完全左右対称デザインが崩れ、キー配置が改悪された。
- 打鍵感にこだわる人からすると余り質の良いメカニカルスイッチでは無いかも。
- アルミフレームは個人的に大嫌い。
まぁこれぐらいですね。
左右対称キー配置については最初に述べたので、残り2点について説明します。
打鍵感にこだわる人からすると余り質の良いメカニカルスイッチでは無いかも
私はあまり打鍵感にはこだわりがありません。
別にパンタグラフ方式が絶対イヤだとも思いませんし、Realforceの打鍵感が特別イイとも思いません。
どちらかというとメカニカルスイッチの方が好き、ぐらいの嗜好です。
しかし世の中にはメカニカルスイッチに異常なこだわりを持っている少数民族がいて、その手合いが口を揃えてバカの一つ覚えのように言うのが「キーを叩いたときに金属音がするモノはダメだ」というヤツです。
この基準で言うと、CLEAVEのキーは叩くと金属音が盛大に響き渡ります。
てことは多分、メカニカルスイッチマニアックからすればダメなキーボードって事なんでしょうね。
まぁ私に言わせれば、クソどうでもいいです。
アルミフレームは個人的に大嫌い
CLEAVEが2019年に発表された当初から、フレームはアルミ製とのアナウンスが誇らしげにされていました。
私はこれを見て「マジか…やめてくれよ」と思いました。
確かにアルミ削り出しってのは見た目はイイですよ。
軽量な割に剛性も高いですし。
ですがね、静電気体質の人間からすると、アルミ箔をペタペタ貼ったキーボードなんて触る度にバチバチ火花が走って痛いんですよ。
パソコン風オサレ家具の糞マックを会社で使わざるを得ない状況が度々あるのですが、このオサレ家具、本体もアルミコーティングならキーボードもアルミ製の薄っぺらい板という頭のおかしいシロモノばかりです。
仕事で仕方なくこのオサレ家具に手を触れなければいけない状況になると、特に冬はいくら気を付けていても隙あらばバチバチと火花が散ります。
私は冬になると、放電用のアクセサリをIDカードと一緒に常に持ち歩き、ドアノブに触る前にはイチイチこのアクセサリで放電しています。
でもキーボードなんて基本的には常に触り続けるものでありながら、偶にちょっとインターバルが空いたりするという道具です。
糞マックのペラッペラアルミ板キーボードには今でも殺意を覚えます。
CLEAVEのフレームは、上面、側面は一体成型のアルミ削り出しのようです。
底面は樹脂ですね。
今は夏という事もあり、さらにはメカニカルキーなので直接フレームに手を触れることが無いので全く問題無いですが、冬になったらどうなるのか、今から心配でしょうがありません。
一体どこのバカがキーボードにアルミフレームを採用しようなんてバカなバカを思いついたんでしょうかね。
予約から2年経過してようやく製品が届くまでの経緯について
ここからは、開発発表、早期予約キャンペーンから2年も待たされてようやく製品が到着した経緯について書こうと思います。
案の定、CLEAVEはいつまで経っても発売されない
2019年の時点で早期予約キャンペーンを行っていたCLEAVEは、案の定というかTEKでもそうだったように、予約してから待てども待てども発売されませんでした。
Truly Ergonomic社のダメな所は、スケジュールを守ろうという意思が無く、進捗に関して顧客に平気で嘘をつく点ですね。
製品は素晴らしい出来なのに、顧客に対して誠意が無い。
公式ページではずっと予約フォームが動いているにも関わらず、発売日が毎月末になると来月に延びるという、普通に考えたら「これ詐欺だろう」としか思えない対応でした。
これ大袈裟ではなく事実ですからね。
私のように早期予約して心待ちにしていたユーザーはそれこそ毎月公式ページをチェックしていたのですが、
2020年11月:今予約すると発送は12月
2020年12月:今予約すると発送は2021年1月
2021年1月:今予約すると発送は2月
本当にこうなってました。
海外Redditのスレでも「誰か本当に製品が届いた人いる?」「これ完全な詐欺だよ。返金を要求しても無視しやがった。」という諦めムードが漂ってましたね。
Truly Ergonomic社からのメールを読み返すと、代金が引き落とされた翌月あたりの2019年8月からほぼ毎月1通のペースでメールが送られてきており、最初のメールには「2019年秋に商品を送る」って書かれてますね。
結局2021年6月になってようやく製品が届いたわけで、代金を支払ってから実に2年間待たされたワケです。
この間、2020年12月まではTruly Ergonomic社からのメールが送られてきていました。
このメールの内容というのは、毎回、製品が実際には出来てすらいない事に対する言い訳と誤魔化しでした。
「もう出来てる。来月には発送する。」「PCBにバグが発見されたので修正する事になった。バグはもう直ってる。」「コロナで中国の工場が稼働してないので遅れてる。」だのなんだの。
とにかく毎月毎月、宿題をしてこなかった小学生並みに程度の低い言い訳を書き綴って来ましたね。
このメールも2020年12月を最後にパッタリ途絶え、私も、もはや「この会社実体はとっくに無いな。商品画像も全部フェイクだろ。」としか思わなくなっていました。
ところが公式ページでは相変わらず予約フォームは動いているし、発送時期も毎月「来月」に書き換えられています。
しかもFaceBookやTwitterアカウントでは平然と「もう出来た。船で輸送中。」等と嘘情報を発信していました。
数少ないリプライは当然「24時間以内に発送って書かれてるが、本当かよこれ。誰か手に入れたヤツいるの?」「いや、俺んところには毎月『来月送る』ってメールが来てるだけだぜ」「詐欺だな」という流れでした。
2021年6月中旬「商品を発送できるが、送付先の住所合ってるか?」という確認メールが来た
びっくりしたと同時に「本当かよコイツら。住所の情報が未だに有効か確認したいだけで、こっちの個人情報売っぱらってドロンするつもりなんじゃないのか。」と思いましたね。
…なんですが、実は2021年6月に入ってから「Truly Ergonomic CLEAVE」で検索すると、ユーザーが実際に商品を触っている動画がごく少数ですが上がってるんですね。
どうもTruly Ergonomic CLEAVE、本当に作ってたらしいです。
CGとかコラ画像、Deep Fakeじゃなくて、実在するらしいです。
いや、これが本当なら何の問題も無いですよ。
製品が届くまで2年ばかり待たされただけです。
結局私は一瞬悩んだものの「住所は合ってる。すぐ送ってくれ。」と返信しました。
すると数日後にはFedexの荷物追跡コードが書かれた発送メールが返ってきました。
発送メールから製品到着までは1週間程度でしたね。
追加の関税も送料も請求される事なく、ちゃんと動く製品が届きましたよ。
あと3台は追加で購入予定
製品クオリティが問題ない事は確認できたので、予備も含めてあと3台は購入する予定です。
TEKはお払い箱ですね。
日本語キートップに差し替えるために1台あたり6,000円の追加出費が痛いですが、またすぐに廃盤になってしまうと困りますので。
実はCLEAVEの発売を殆ど諦めていたので、X-Bowsというこれも海外の対称配置キーボードを購入したばかりなんですよね。
タイミング的には最悪でしたが、製品的にはCLEAVEが大本命なので仕方ないです。
なんにせよ無事発売されて良かった。
製品じたいは本当におススメで、日本語キーボードとして使う分にも問題無いのでエルゴノミクスキーボードに興味がある方はぜひ買い支えてあげて下さい。
日本語配列用キーキャップはこちらのキーボードから引っこ抜きましょう。