誰かがインスタでくっさい写真1枚上げただけで価格が乱高下する暗号通貨とか言う金融詐欺商品に群がる連中のせいで、グラボの価格がもともとボッタくり価格のさらに2倍以上に跳ね上がっている昨今、我慢できずにRTX3090を買ってしまいました。
初出の値段から7万円も上乗せされてるのに、それでも30万を切っているから安く見えるというボッタくり価格設定、1枚27万円でございます。
もともと私は常に最新のグラボをご祝儀価格で買うなんて事はせず、最新グラボが出た事で型落ちになった一つ前のグラボを2枚買ってSLI構成にすることで、最新グラボ1枚よりはるかに安い金額で最新グラボを超える性能を手に入れるというマトモな選択をいつもしてきました。
2020年にRTX3090が発売されたので、私の目論見ではRTX2080TIが1枚8万ぐらいに値下がりし、これをSLIにする事で3090以上の性能を手に入れるはずでした。
ところが暗号通貨のGPUマイニングブームだの、半導体供給不足だの糞みたいな理由でグラボの値段はアレヨアレヨと言う間に2倍、3倍と値上がりし続け、RTX2080シリーズなんてTIですらない無印が1枚16万円~40万円などと言う頭のおかしい出品しかありません。
しかもアメリカのAmazon.comの方が日本のAmazon.jpよりも出品が少なく、値段も高いという逆転現象が起きており、数年前まででは考えられない状況です。
この異常事態だと型落ちグラボを2枚買った方が最新グラボ1枚よりも高い、という結果になってしまいます。
このグラボ高騰がいつになったら終息するのか分からない上、どうしても私は現行のゲーム用PCのグラボをアップグレードしたかったので、仕方なくボッタくり価格のRTX3090を1枚買ってしまいました。
モノはこちらです。
私はGIGABYTEというメーカーは過去の経験から余り良い印象が無いのですごく嫌だったんですが、RTX3090が最も安く、似たような価格帯では唯一名の知れたメーカーだったので他に選択肢が無い状態でしたね。
解像度3,840×1,600・最高品質の漆黒ベンチ結果
こちらとなります。
うーん、全然大した事無いスコアですね。
AW3821DWは横幅こそ4Kと同じ3,840pixelですが、縦幅は1,600pixelしかありません。
4Kの解像度はは3,840×2,160なので、4Kの74%の解像度でこのスコアです。
このご時世にグラボをRTX3090に替えた理由
ベンチマーク的には1枚27万円の価値なんて全く無い糞ショボ性能のRTX3090なんですが、私的には背に腹は代えられないといった事情がありました。
というのは、これまで使っていたグラボであるGTX1080のSLI構成と、半年前ぐらいに購入したDELLのゲーミングモニターAW3821DWの組み合わせではFF14をプレイしている時にある問題が発生したからです。
AW3821DWは37.5インチ144Hz駆動・解像度3,840×1,600・G-SYNC ULTRA対応という所謂ゲーミングモニターです。
同じくDellのAW3418DWという、こちらは34インチ120Hz駆動・解像度3,440×1,400・G-SYNC対応モニターからの乗り換えだったのですが、どうもモニターを入れ替えてからFF14が断続的に極端に処理落ちするという問題が発生しました。
PCのスペックは充分な(はず)なのにFF14がカクつく、というトラブルはそれこそ山ほど原因があるので自力で解決するしかありません。
特に私はグラボをGTX1080のSLI構成にしていたので、フォーラムすら最初からアテにはしていません。
症状:断続的にFF14のFPSがガタ落ちする
モニターをAW3821DWに替えてからも、GTX1080のSLI構成で、リムサのエーテライト付近でもFPSは平均的に90~120ぐらいまで出ていました。
ところが、モニターを替えて暫く経ってから気づいたのですが、時々、場所を問わずFF14のクライアントが断続的に物凄く処理落ちするようになりました。
場所を問わず、というのは、例えばリムサの大して混んでいない場所でカメラをぐるっと回しただけでガクッガクッと10FPS台にまで処理落ちします。
フェイスで4人IDに突入し、最初の雑魚グループでAOEを避けながらぐるぐる回っていると同じようにFPSがガタ落ちします。
24人レイドでは十数秒間隔でこの現象が発生するので、まともに操作すらできません。
しかし不思議な事に、カメラを激しく動かさないとこの現象は起きません。
普通に歩いている時やマウントで飛行中は何も問題ありませんし、戦闘中でも極端にグルグル回らなければこの現象は発生しません。
最初は単にラグっているのか?と思ったのですが、データセンターまでのping値を測っても常に10msec、パケロスは0です。
そもそもカクつきの様子がラグとは全然様子が違います。
ラグの場合は自分だけ処理落ちもせずに動けているのに、エネミーや他プレイヤーだけ「その場で待機モーションをし続け」て、数秒後にワープしたりAOEが発生したりする、という現象になります。
これはサーバーから他者のステータスが送られくる間隔が長くなって(遅延して)いるせいで、クライアント側は自分の操作以外ステータスが更新できない、という状況です。
対して私が今回遭遇したのは「カメラを回すと断続的にクライアント全体が処理落ちして、自キャラの入力もままならなくなる」という状態です。
AfterBurnerでFPSを記録してみた
これは旧グラボのGTX1080x2構成で、リムサのエーテ前からマトーヤの洞窟にフェイスで突入し、最初の雑魚グループと会敵した際にAOEを避けながらグルグル回った際の記録です。
これを見ると一目瞭然なんですが、雑魚グループに遭遇するまでは特に異常も無く100FPSを軽く超えているのに、会敵して雑魚グループの周りをグルグル回ると断続的に20FPSを切るほど処理落ちしているのが分かります。
最初は戦闘のエフェクトやエネミーの描画が重いのか?と思ってグラフィックオプションを色々弄って解決しようとしたのですが全く効果はありません。
一時はACTが原因か?と疑ってACTを切ってみました。
すると、この現象が起きなくなった(ように思えた)ので、一瞬「これだ!」とACTのせいにしかけたのですが、これも単なる偶然だったらしく、ACTを切っているにも関わらず、やっぱり後日現象が再発してしまいました。
グラボからモニターへのデータ転送速度が足りないっぽい
不可解な事に、普通にキャラを操作して移動しているだけではこの現象はまず発生しません。
戦闘中でも、雑魚敵が多い等の状況でAOEを避けるためにグルグル回ると急に発生する、という具合です。
なので最初は単純にキャラ数やエフェクトの描画の負荷が原因なのかと一生懸命グラフィックオプションを弄っていました。
決定的だったのは先にも書きましたがリムサの大して人もいない場所でグルッとカメラを回した際にもこの現象が高確率で発生する点でした。
- 3,440×1400の120Hzモニターではこの現象は起きていなかった。
- カメラを激しく動かすとこの現象が起きる。
この2点から、これレンダーバッファのモニターへの転送が間に合ってないんじゃないか?と思いました。
グラボからモニターへのデータ転送の帯域は、DisplayPortあるいはHDMIのバージョンによって大きく変わります。
4K解像度に100Hz超の周期でデータを転送するには、DisplayPortならVer1.4以上、HDMIなら2.0以上じゃないと対応していませんし、DisplayPortの場合はDisplay Stream Compressionというフレーム圧縮技術に対応したグラボである事が条件です。
私はもちろんAW3821DWに付属していたDisplayPort1.4のケーブルでグラボとモニターを接続しています。
ですが、グラボ側の転送能力はどうか?
調べるとGTX1080のDisplayPortのバージョンは1.4です。
しかしGTX1080はもう5年も前のグラボで、4K解像度に100Hz以上で転送できるとはどこにも書いてありません。
そもそもそんな使われ方は当時想定されていなかったんじゃないでしょうか。
しかもAW3821DWはHDRに対応しているので、モニター設定でHDRをONにしていました。
HDRをONにすると必要な帯域は1.2倍に膨れ上がるとの事です。
カメラが激しく動くという事は描画結果が毎フレーム大きく変わるという事で、DSC対応グラボで画像を圧縮転送して、DisplayPort1.4以上でギリギリ4Kモニターに144Hzで転送できるというのが2021年時点でのグラボ界隈のスペックです。
カメラがあまり動かず、フレーム毎の画像の変化が余り大きくない状態なら何とか転送が間に合っていたものの、毎フレームの必要転送量がグラボの性能を超えてしまった瞬間から画像のストリーリングが詰まってしまって今回のような処理落ちが発生するのではないか。
このような想像のもと、試しにモニター設定でリフレッシュレートを120Hzに下げ、HDRもオフにしました。
すると、この現象は全く起きなくなりました。
マトーヤの洞窟にフェイスで突入し、最初の雑魚グループと会敵して殲滅してからすぐに退出するまでをAfterBurnerで記録しましたが、上のように全く処理落ちはせず、常に120fps近く出ています。
結果論ですが、アタリっぽいです。
当然、FF14側のグラフィックオプションもリフレッシュレートは最大120Hzまでしか選べなくなります。
ただ、こちらはモニターのリフレッシュレートを無視する無制限設定にしても問題無いようでした。
RTX2080TIが値下がりするかと期待していたが、大高騰
このようにモニター側のFPSを下げる事でガクつき問題は解消されたものの、当然ながら「え、じゃあモニターの性能意味無くね?」という事になり、悶々としていました。
GTX世代だと最新AAAタイトルで流行りのリアルタイムGIにも対応していませんし、せっかくの高解像度、高リフレッシュレートを活かすためにRTX2080TIのSLI構成に換装しようと値下がりを待っていたという次第です。
ところが実際は悪夢のようなグラボ高騰時代が始まってしまい、いつ適正価格に戻るのか、戻ったとしてRTX2080番台は再生産されるのか、未来は完全に暗黒ひも宇宙状態です。
もうですね、いつまで待てばいいのか埒が明かないので結局ポチってしまいましたRTX3090。
なんでRTX3090なのか、という理由ですが、まずRTX3000番台は3090しかSLIが組めなくなっています。
しかもRTX3000番台のSLIは従来の仕様とは互換性が無く、旧仕様のSLIに対応していたゲームをRTX3090のSLIで動かしてもSLI対応されていない事になるらしいですね。
さらに言うとRTX3090はどの製品を見てもPCIスロット3個分のスペースを占有する程の糞厚いボードになっていますし、その上爆熱なので、水冷以外でSLIを組むのは不可能でしょう。
とまあ、RTX3000番台からは、nVIDIAの「SLIはもうヤメロ」という意思をヒシヒシと感じます。
流石に今回1枚27万円のグラボでSLIを組むなんてのはしませんでしたが、3090以外は未来永劫SLIが組めないという点でイヤでした。
そもそも3080TI程度だと、GTX1080のSLIと大して性能変わらないんじゃないかとも思います。
以上の事から、グラボ1枚でも確実に充分な性能の向上が見込める3090以外選択肢が無かったです。
RTX3090に換えたら144Hzでの処理落ちは直ったの?
直りました。
換装後、モニターのリフレッシュレートを144Hzに戻し、ついでにHDRをONにしましたが、FF14をプレイしていてカメラをいくらグルグル回そうが変な処理落ちが起こる事は一切ありません。
やはり、SLI構成にしているとは言えDSCに対応しているかどうかも良く分からない(たぶん対応してない)GTX1080では転送能力が足りなかったようです。
1枚27万円の価値は全くないRTX3090ですが、この点についてはまァ期待通りと言えます。
ですがねェ、4Kの74%の解像度でスコア19,000弱って、夢の無い27万円ですねえ。