左手(片手)デバイスMH-Deltaのスティックを交換できるオプションパーツがMH-Deviceのショップで販売されました。
自分は公式YouTubeでこのオプションの存在を知り、気になっていたので早速購入しました。
今回はこのパーツのゲーム(FF14)での使用感をレビューしてみたいと思います。
MH-Delta用スティック全セットを購入
MH-Deltaのスティックパーツはデフォルト状態で充分完成度が高く、例えばLogicool G13の評判の悪い「小さいキノコの山」型スティックと比べても圧倒的に操作しやすいです。
私はデフォルト状態のスティックでもそれほど不満は感じてはいませんでした。
ですが、手が小さいので親指でキャラ移動しつつ同時に1行目のキーを押そうとすると指が遠いと感じる事はありました。
今回発売されたスティック交換パーツは「スティックの高さを低減する」というコンセプトの製品らしいので、確かにスティックの高さがもっと低ければ操作しやすくなるかも、と思ったんですね。
オプションパーツはタイプ別にバラ売りされているのですが、私は全部入りのセット(\2,480)を購入しました。
上から高さ低減タイプx2、キノコタイプx3、砲台タイプx3です。
キノコタイプ、砲台タイプは軸が前方、中央、後方の3つの位置から好みのものを選ぶ感じです。
公式YouTubeを見ると高解像度の3Dプリンタ(4K?8K?)で出力されたものらしく、まぁ精度は充分ですね。
質感ですが、積層感はゼロとは言いませんが一昔前の3Dプリンタのような安っぽさはありません。
業務用の3Dプリンタ出力サービスなんでしょうか、最近の高解像度3Dプリンタって凄いですね。
但し、3Dプリンタ出力なので素材は樹脂そのまんまです。
ラバーコーティングはされていません。
交換はコツを掴めば一瞬
MH-Deviceの公式YouTubeを見れば分かりますが、スティックを下に傾けながら軸方向へ引っ張れば簡単に抜けます。
抜いたら交換パーツを軸の方向を合わせて挿し込むだけです。
ただ、デフォルトのスティックは軸が長く、親指を当てる箇所が掴みやすいので簡単に引っこ抜けるんですが、高さ低減タイプのスティックは掴みどころがなく、1度挿し込むと抜くのに最初苦労しました。
コツとしては、高さ低減タイプのような掴む軸が無いものは、無い軸の部分ではなくパーツの根元のお椀型の縁を掴んで引っ張ると楽に抜けます。
スティックを1方向に最大まで傾けるとお椀型の縁が完全に露出され、本体フレームとの間に隙間ができるので簡単に指を入れる事ができます。
「特定方向へ走れない」問題発生
購入前は、高さ低減タイプ・丸型を使う事になるんだろうなと予想していました。
じゃあなんで全部入りセットを買ったの?という話ですが、こういうのはもし買ったパーツが気に入らなかった場合「別のタイプはどうなんだろう」と気になって結局全部買う事になるからです。
なので最初に試したのは高さ低減タイプ・丸型です。
高さは良い感じなんですが、のっけからここで致命的問題が発生しました。
このパーツに交換してFF14を起動し、キャラクターを動かしたところ、G13でお馴染みの「ある一定方向にだけ走れない」現象が発生しました。
私の環境ではこのパーツの場合、左斜め前方へスティックを倒した場合のみキャラクターが「歩き」しかできなくなります。
他の方向へは歩き、走り共に問題無く動作するのですが、左斜め前方の一定角度のみ、スティックを最も深く倒してもキャラが「歩き」にしかなりません。
しかも、その「ダメな方向」へスティックを倒すと、ただ歩くだけじゃなく偶にキャラがスキップするような挙動をします。
「スキップする」ってどういう事?と思われるでしょうが、よく観察するとどうもキャラが停止→歩きを細かく繰り返しているようなんですね。
つまり、アナログスティックの入力値が0と「歩き」の値の間で行ったり来たりしている状態だと推測されます。
MH-Deltaの制御ソフトでキャリブレーションをやり直したり、USBの電源を入れ直したりしても全く直りません。
これには焦りましたね。
最初は、スティック交換の際にパーツを壊してしまったんじゃないかと疑いました。
スティックのパーツが本体フレームに干渉しているのが原因?
何をどうやっても特定方向へキャラが走れなくなる現象が直らないので「あちゃ~壊れたか?」と思ったのですが、スティックパーツをデフォルトに戻すと、あら不思議この問題は発生しなくなるんですね。
さらに、高さ低減タイプのもう一つのパーツである「8角形タイプ」に交換すると、こちらも別に問題は発生しません。
ところがキノコタイプ、砲台タイプに交換するとこの問題が発生します。
しかも、高さ低減タイプ(丸形)、キノコタイプ、砲台タイプのそれぞれで「歩きしかできなくなる方向」が異なります。
となるとスティックパーツに問題があるんだろうなと思い、良く見ると問題が発生するタイプのスティックはお椀型土台の頂上部分に皿状の突起があり、スティックを傾けるとこれが本体フレームにぶつかってそれ以上軸を傾ける事ができなくなっています。
赤い部分が黄色い部分にぶつかった時点でそれ以上傾ける事ができないので、傾きの値が制限されているんじゃないかという疑いがあります。
お椀部分の緑色の範囲しか軸を傾ける事ができないため、ここが狭いと目一杯傾けても「歩き」だと判定される値にしかならない?
とは言っても、全方向にダメなわけでは無く、ある一定方向にのみこの問題が発生するというのも変な話なんですが…。
FF14側のスティックの感度設定を弄ってみるも改善せず
FF14のシステムコンフィグにスティックの感度設定(軸の遊び)という項目があり、デフォルトでは55ぐらいになっています。
MH-Deviceの公式YouTubeでは20ぐらいに設定すれば良い感じと言っていたので、私はこれぐらいの値に設定しています。
アナログスティックの軸の傾きはX軸、Y軸共に-1.0~1.0の間の実数値がOSから渡ってくるのですが、スティックの物理的な特性で、ユーザーがスティックを触っていなくてもごく小さな値(0.001とか)が検出されたりします。
この値をそのままプログラムに反映させてしまうと、スティックを触っていないのにキャラが微妙にプルプル動いたり、勝手に移動してしまうというダサい製品になってしまうので、大抵のゲームではスティックの傾きを閾値で切り捨てています。
まぁOS側にもそのために入力デバイスのコンフィグ設定があるんですが、全てのユーザーがゲームパッドのコンフィグを行っているという保証もありませんのでね。
FF14の場合はスティックの感度設定(軸の遊び)という項目名になっており、0~100の数値で表現されているので0~100%という値でしょう。
0=「軸の遊びを無しと見なして、デバイスから返る値をそのまま使う」という実装かどうかは、もちろん実際にコードを見た訳じゃないので分かりません。
0~100という値は%を整数で表しているので、こういう場合大抵プログラム側でスケーリングするために使われます。
が、どんな実装だろうと0に設定すればFF14側では「最も小さいスティックの傾きで、最大まで傾けた状態になる」というのは確実です。
スティックパーツの干渉が原因でスティックの傾きが足りないのであれば、これで改善するかも知れないとダメ元で試したのですが全く効果ありませんでした。
こうなるとお手上げですね。
高さ低減タイプ・8角形型を採用
最初は高さ低減タイプ・丸型を採用する事になるだろうなと思っていたのですが、「走れない問題」が発生するとなるとこれはダメです。
FF14は超絶弾幕避け安地踏み大縄跳びゲームなので、1%でもいきなりキャラが走れなくなる可能性があるなら致命的です。
が、8角形型は今の所何の問題も無く使えています。
「走れない問題」は無視して、全タイプのスティックに交換して操作してみたのですが、私にはキノコタイプ、砲台タイプは論外でしたね。
自分はスティックの軸に対して真上から親指で押さえたいので、違和感ありまくりでした。
高さ低減タイプ・8角形型ですが、慣れてしまったからなのか意外とこれが最もしっくりきます。
最初に試したのは高さ低減タイプ・丸型なんですが、こちらは親指を置く部分が広く、軸無しでここを親指で押さえるとこの上で指が滑るんですね。
この「親指を置く部分」の大きさはデフォルトのスティックと同じなので、違いは材質です。
どのタイプもデフォルトのスティックのようにラバーコーティングされておらず、樹脂そのままなので指が滑ります。
なので、私は高さ低減タイプ・8角形型の突起部分にグリップシートを貼り付けて使っています。
8角形型は一見すごく頼りない、小さく平らな突起が付いているだけなんで最初は全く期待していなかったのですが、実際使ってみるとこれが絶妙で、親指の腹を「置く」というよりは「親指の腹で包み込む」ような感覚なんですね。
個人的にはこのスティックが1番使い易いです。
まとめ
MH-Deltaのデフォルトのスティックがそもそも完成度が高いので、どうしてもスティックの軸が高過ぎて我慢ならんという人以外は無理に購入する必要も無いかなというのが率直な感想です。
私の個体だけの問題かも知れませんが、高さ低減タイプ・8角形型以外はFF14において「特定方向へ走れない問題」が発生したので「スティックの高さを下げたい」という人は、まず「高さ低減タイプ・2個セット(\680)」を購入するのが良いと思います。
私のオススメは高さ低減タイプ・8角形型なので、セットになっている高さ低減タイプ・丸型に交換しても全方向問題無く動作するなら、別のタイプを使っても大丈夫でしょう。