フランス、パリ市内からモンサンミッシェルに行く方法は基本的に、
- ツアーに申し込んでシャトルバス等で連れて行ってもらう
- 電車でレンヌ駅あるいはサン・マロ駅まで行き、駅から公共バスでモンサンミッシェルまで行く
の2通りの選択肢になるかと思います。
私は2024年に2の電車+公共バスでモンサンミッシェルまで行きました。
同じような行程を予定されている方のために電車からバスへの乗り換え、モンサンミッシェルのバス停からモンサンミッシェル島内へ行くまでの手順について詳しく書きたいと思います。
ツアーに申し込むか、それとも電車+バスで自力で向かうか
パリからモンサンミッシェル観光へ行く場合、パリのホテルからシャトルバスや車で送迎してくれたり、モンサンミッシェルで泊まる場合は現地のホテルもセットになっているツアーというのが各社から販売されています。
モンサンミッシェルには泊まらず、日帰りのツアーというのもあります。
この手のツアーは基本的にパリのホテルからモンサンミッシェルまで行きも帰りも車で連れて行ってくれますので、全てお任せしたいという場合はこういうのを申し込むのが1番安心・楽ちん・確実でしょう。
移動手段のみと考えた場合は電車+バスよりもかなり高くつく傾向にありますが、慣れない外国で電車からバスに乗り換えて現地まで向かう手間と不安を考慮したらツアーに申し込むというのもアリかと思います。
私はそもそも海外旅行でツアーガイドに引っ張り回されるのはイヤなので、電車+バスで向かいました。
TGVでレンヌまで行き、公共バスに乗り換える
TGVというのはフランスの新幹線のようなもので、パリのモンパルナス駅からレンヌ駅まで約1時間30分で着きます。
ここから公共バスに乗り換え、モンサンミッシェルのある湾の陸地側にあるバス停まで向かいます。
レンヌ~モンサンミッシェル間は、渋滞に巻き込まれなければ1時間15分ぐらいです。
レンヌ~モンサンミッシェルのバスは1日に3本しか出ていない
これが1番の注意点です。
毎年、時期によって時刻表が微妙に変わるようなので、事前に「レンヌ モンサンミッシェル バス 時刻表」とググって最新の時刻表を把握しておきましょう。
大体下のようなタイムテーブルになっているようです。
レンヌ駅→モンサンミッシェル
レンヌ駅発 | 8:45 | 10:45 | 12:45 |
モンサンミッシェル着 | 10:00 | 12:00 | 14:00 |
モンサンミッシェル→レンヌ駅
モンサンミッシェル発 | 11:00 | 17:00 | 18:00 |
レンヌ駅着 | 12:15 | 18:15 | 19:15 |
モンサンミッシェルってノルマンディー地方のド田舎にあるのですが、世界遺産のある超観光地に向かうバスが1日3本ってのはどうなんでしょうね。
2番目の注意点として、ヨーロッパの公共交通機関は平気で遅れたり運休したりします。
私は何度かヨーロッパに行っていますが、日本の新幹線に相当するTGVやEurostarが時間通りに来る方が珍しかったです。
予約したTGV,Eurostarが30分遅れるなんてザラです。
日本で新幹線が30分遅れるなんて、相当なトラブル・事故・悪天候の時ぐらいしか考えられないですよね。
TGVやバスのチケットはもちろん当日、駅で自販機を使って購入することも可能です。
ですが事前にネット予約した方が安いですし、バスに至っては本数自体が限られているので当日買うというのは緊急事態の時以外考えられないかと思います。
ここで問題になるのが、レンヌ駅への到着が遅れるとバスが3本しかないため詰む可能性がある、という点です。
私が行った時は幸い行き帰り共にTGVもバスも時刻通りに発着しましたが、レンヌ駅12:45分発のバスに乗るつもりで、TGVの到着時刻をギリギリに設定していると、TGVがちょっとでも遅れたらアウトです。
そういう可能性も考えて、電車とバスの乗り換え時間には余裕を持たせる、1日3本しかない最後のバスに乗るというスケジュールは避ける、といった注意が必要でしょう。
私は今回、10:45分発のレンヌ発モンサンミッシェル行きバスに乗り、午後イチでモンサンミッシェルに到着、1泊して翌朝11:00のモンサンミッシェル発バスでレンヌ駅へ向かいパリへ帰る、という計画にしました。
パリ・モンパルナス~レンヌ間のTGVチケット予約
パリ・モンパルナス駅からレンヌ駅までのTGVチケット予約方法に関しては、既に色々なサイトで解説されているのでここでは詳しく書きませんが、簡単に私が今回の旅行で行った手順を紹介します。
フランスTGVのチケット予約に関して検索すると、Omioというアプリを使った方法が上位にヒットすると思います。
他にはフランス国鉄の公式サイトからも予約できるようなのですが、この公式サイト、インターフェイスが最悪で使いづらいため、私は今回このOmioアプリでチケットを予約しました。
Omioの良いところ
- 日本語のインターフェイスで使いやすい。
- キャンセルが簡単にできる。
Ominoの悪いところ
- 公式サイトに比べると予約できる電車の候補数が少なく見える。
- 公式サイトに比べると値段も高い気がする。
- キャンセルしても手数料を取られている気がする。
Omioを使うとiPhoneのアプリから日本語インターフェイスで簡単にチケットの予約ができます。
予約したチケットのキャンセルもめちゃくちゃ簡単です。
一方で、どうも聞いていたよりも高い値段を要求されている気がするし、キャンセルした際に全額戻ってきていないような気もします。
例えば試しに2024年12月1日のパリ・モンパルナス駅~レンヌ駅のTGVをOmioで検索してみます。
1番早い時間が8:20発で、大人2人の値段は\13,161です。
その次に候補に挙がっている8:37発の便は\14,511ですね。
同じ区間ですが、ヨーロッパの新幹線はどの国も時間・日付等の条件、要は需要によってチケットの値段が大幅に変わります。
8:20の便をクリックすると
こんな画面に遷移します。
最初に提示された価格は2等車両の値段で、1等にアップグレードする場合は追加料金\1,350かかります。
約10%の上乗せです。
2等車両で良い?1等車両にすべき?
1等車両へのアップグレード費用に関しても、上の例では\1,350という大した額ではないのですが、これも日付、時間によって大きく変わります。
例えば同じ日付の少し遅い時間を見てみると、
まず2等車両の値段の時点で、8:20発の便のなんと2倍になってます。
それぞれクリックしてみると、
10:50発のレンヌ行きは2本あるのですが、車両番号8615の1等車両へのアップグレード価格は\9,787です。
2等車両の価格の30%上乗せですね。
同じく10:50発、車両番号8715を見てみましょう。
アップグレード価格は\16,873です。
約57%の上乗せです。
なんか振れ幅が大きすぎて「正気か?」と言いたくなりますね。
本題の「1等車両にすべき?」という疑問ですが、「旅費に余裕があるなら1等にアップグレードした方が良い」としか言いようが無いです。
上の例のように、8:20の便だとアップグレード料金は\1,350ですので、この価格ならアップグレードするべきだと思います。
ですが10:50の便だとアップグレード料金が\16,873で、この値段分の価値があるかというと絶対にありません。
要するに足下を見たボッタクリ価格です。
ただ、1等車両はあらゆる値段が高い分「同じ車両に変な客がいる可能性が低い」という安心感があります。
私は他の国で2等車両に乗ったこともあるのですが、缶ビールを何本も空けている臭いアルカスや、スマホで延々とサッカーの試合をスピーカー出力&大音量で見てるサカ豚と同じ車両になって不快な思いをしました(もちろん乗務員は普通にスルー)。
つまり1等車両そのものには大した価値はありません(座席が1列少ないので、座席間のスペースの余裕があるという点を除いては)が、乗客の質がある程度保証されるという点が付加価値なのでしょう。
という理由から、海外旅行で余計な不快な思いをしたくないので私は基本的に1等車両に乗るようにしています。
上記のように費用面では何となく釈然としないのですが、日本語インターフェイスのスマホアプリぽちぽちで全て完結するお手軽さというメリットが余りに大きいので、私は今回Omioで予約しました。
レンヌ駅発モンサンミッシェル行きバスのチケット予約
バスのチケット予約は公式サイトから可能です。
このサイトはデフォルトではフランス語で表記されますが、ページ右上のFRと書かれているアイコンをクリックすると英語に切り替えることができます。
バスのチケット予約については公式サイト経由でも特に難しい事はなく、検索すればいくつも解説している記事がヒットするのでここでは敢えて説明しません。
レンヌ駅で公共バスへ乗り換え
TGVでレンヌ駅に到着し、ホームのエスカレータを上がると駅舎2Fのコンコースにたどり着きます。
新幹線が停車するぐらいなのでそこそこ大きな駅で、レンヌ市自体が観光都市でもあるのですが、そんなに混雑していませんでした。
さすがに観光客らしき、スーツケースを転がしている人の姿が多いです。
このコンコースはかなり広く、バゲットサンドの売店やカフェ、土産物屋などが沢山あります。
ベンチもかなり多く設置されており、売店でバゲットサンドを買ってベンチで食べる、なんて事も可能です。
ここは2Fですが、1Fにはマクドナルドの店舗もあります。
正面出口を出ると駅の外観はこんな感じで、流線型のモダンなデザインです。
フランス人ってこういうところにオサレ感出しますね。
出たすぐ先に謎のオブジェがあります。
馬の化け物?
バスターミナルへ向かうために駅舎に戻ります。
下りエスカレーターのすぐ奥に見えるのは軽食を摂れるカフェです。
バス乗り場に向かうには、まず左手のエスカレーターを降ります。
するとマクドナルドがあります。
マクドナルドを横目にさらに奥へ進むと駅の出口(いわゆるバスターミナル口)に到着し、すぐそばにバスチケット売り場があります。
実はこのエスカレーターを使わなくても正面の出発ホーム方向へ真っ直ぐ進めば、先に下りエスカレーターがあり、それを降りると最終的に同じ場所にたどり着きます。
エスカレーターに「0」と書かれているとおり、ここが1Fです。
この写真に対して左方向がバスターミナル口です。
正面に見えるKorriGoという看板が掲げられたブースがバスチケット売り場です。
ここで当日券を買うこともできます。
チケット売り場の左、駅の出口を出るとすぐ目の前がバスターミナルです。
ずっと先まで直線上にバス発着場が続いている、シンプル且つこぢんまりとしたバスターミナルで、観光地の割には閑散としていますね。
発着場毎に電光掲示板が設置されており、そこに入ってくるバスの行き先と時間が書かれていますので、モンサンミッシェル行きが何番なのか確認して並びます。
乗車する際には、スマホにeチケットをダウンロードしていた場合はチケットのQRコードを見せ、スキャンしてもらって乗り込みます。
事前に紙にQRコードをプリントアウトしておいてスキャンしてもらっても可能です。
ちなみに座席指定はありません。
トイレはどこで行くべき?
レンヌ駅からモンサンミッシェルまでのバスには1時間15分程度乗る事になりますが、このバスにはトイレはありません。
なので、バスに乗る前にトイレはTGVで済ませておくか、レンヌ駅のトイレを利用しましょう。
レンヌ駅には駅舎内のそこかしこにトイレの場所に関する案内があるので(Toilet)の表記を頼りに辿り着くことができると思います。
具体的には、トイレは2Fコンコースの出発ホーム側の1番奥にあります。
レンヌ駅のトイレは入り口に1ユーロコインを投入・あるいはタッチ決済対応のクレジットカードで開くゲートが設けられており、内部は普通にキレイです。
衛生面では日本のそこそこ大きな駅のトイレと大差ないレベルです。
有料である事のメリットですね。
モンサンミッシェルのバス停からモンサンミッシェル本島まで
バスはノンストップ1時間15分程度でモンサンミッシェルが見える湾の1Km程手前のバス停に到着します。
帰りにレンヌ駅へ行くバスにも、このバス停から乗ります。
バス停から湾側で1番島に近い位置にある有名なホテル「ル・ルレ・サン・ミッシェル」までのルートをGoogleMapで表示するとこんな感じです。
これを見ると明らかなように、島へ向かう通り沿いにめぼしいホテル&レストランが並んでいます。
この通りにはモンサンミッシェル本島のすぐ手前(の橋の上)まで乗り入れる無料シャトルバスのバス停がいくつも設けられています。
ですが、この無料バスには本島へ向かう観光客がスシづめになっており、その混雑具合は日本の通勤ラッシュの山手線レベルです。
つまり、仮にホテルに泊まるつもりでスーツケースを抱えているとしたら、この無料シャトルバスにはまず乗れませんね。
という事で「ル・ルレ・サン・ミッシェル」へ徒歩で向かってみます。
GoogleMapは車道に沿ったルートを示していますが、歩道が設けられておらずバスが通ると怖いので、バス停のすぐそばの小道を右へ曲がり、突き当たりまで進みます。
突き当たりを左に曲がります。
車道と交差する地点に道標があり、右がモンサンミッシェル本島であると示しています。
あとは道なりに真っ直ぐ進むだけです。
中間地点でLes Galeries du Mont-Saint Michelというちょっとした土産物屋があります。
軽食が摂れる小さなカフェと併設されており、半分スーパーマーケットのような施設ですね。
ただ規模はそんなに大きくない&本島よりもボッタクリ価格なのでわざわざ行く必要もないです。
写真では店の入り口前にやたら人だかりができていますが、ここにはシャトルバスのバス停があるので、これからモンサンミッシェル本島へ行こうとしている観光客が列をなしてバスを待っています。
この地方のブランドラム肉であるプレサレで有名なレストラン「ル・プレ・サレ」もこの通りにあります。
こちらは「ル・ルレ・デュ・ロワ」
これもホテルと、そのホテルに併設されたフレンチレストランという形態ですね。
湾側で最も本島に近い位置にあるホテル、ル・ルレ・サン・ミッシェルはここのすぐ右手です。
島との位置関係は下のようになっています。
ここまで来ると車道にはゲートが設けられており、一般車両はこの先へ行けないようになっています。
無料シャトルバスはこの先、橋の上まで行きます。
ゲートの先からホテルを見たところ。
このホテルは部屋からも、1Fのレストランからもモンサンミッシェル本島が見えるのが売りですが、GoogleMapを見て分かるとおり島まではまだ1Kmぐらい離れているので遠目に見えるという程度です。
モンサンミッシェル本島に行くには、ガンガン走っているシャトルバス(無料)に近くのバス停から乗って橋の上まで行き、そこから徒歩で島に入るというのが一般的です。
シャトルバスを使わず徒歩で島まで行くことも可能ですが、それなりに距離がありますし、本島は本島で石段を登りまくる必要があります。
湾から島までどれぐらい遠いかというと、
これを見てもらえば分かるかと思います。
これはモンサンミッシェル本島の登れるまで登った位置にある修道院の広場から湾側を撮ったものです。
結構ゾッとする距離ありますよね。
ダイエットという意味では良いかもしれませんが、本島の石段を登るのも結構キツいので体力は温存しておく方が賢いと思います。
陸側の堤防は写真スポットで、プロっぽい人もちらほらいました。
これは日の出の時刻で、写真では正面から太陽が昇り始めています。
堤防から撮った写真。
素人だとこんなもんです。
ちなみに、手前に見えているのは湾へ続く河なのですが、満潮時には水が逆流して遡ってきます。
偶々その様子を見ることができたのですが、震災時のTUNAMI映像を彷彿とさせてちょっと怖かったですね。
帰路~レンヌ駅からパリ・モンパルナス駅へ
帰りは来た時に降りたバス停にレンヌ駅行きのバスが到着するので、それに乗ります。
レンヌ駅では、電光掲示板で自分が予約したパリ・モンパルナス駅行きの列車の出発ホームを確認します。
レンヌ駅はパリからの到着ホームとパリへの出発ホームがエリアできっちり分けられており、ヨーロッパの鉄道の中では比較的分かりやすいように思いました。
とは言えヨーロッパの鉄道の例に漏れず、フランスの駅でも乗客はこの電光掲示板の下に群がって、雛鳥が親鳥から餌を貰うみたいにポカンと口を開けて上を見上げています。
ヨーロッパの鉄道で私がどうしても我慢ならない点は、発車時刻の10分前になっても列車のホーム番号が分からないという意味不明なシステムです。
国によっては鉄道の公式アプリでどのホームに何番の列車が到着するのか確認できる機能を提供していたりしますが、まともに動作しているのを見たことがありません。
平気で嘘の情報が配信されます。
駅員に聞きまくってようやく正しい列車に乗り込み、ほっと胸をなで下ろしてアプリを見たら全然古い情報=間違ったホーム番号が表示されているなんて事もありました。
1億歩譲ってどのホームにどこ行きの列車が入るのか決められないという呆れたシステムを許すとしても、なぜ発車5分前まで分からないんですかね?
電車の運行に伝書鳩でも使ってる?